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愛のばら、掲げて遠回りして

もうすぐ会える、私は、頬が緩みしまりのない表情をしているに違いない。仕方ない、本当は毎日でも会いたいのだが、仕事の関係でなかなか会えないでいるのだから。今日だってかれこれ3週間ぶりなのだ。特急電車は私を乗せて規則的な音を立てる。終点の京都に近づく、線路沿いに家が並んでいる、そのひとつ、ある庭にばらの花が咲いていて、そのばらの花に、くの字に背の曲げながら老婆が水をやっている。突然、老婆は、私と(正確...

デッサン

君の知らないことまだ山ほどあるんだぜただ舞ってた風が溜息の見込んでいく輝く季節終わった、さよなら、デッサン終えて誰もいない草原を後にして市バスに乗ったあなたは涙を拭ってばかり1000年も眠れ雨の中僕は傘を差して立ってる薄っぺらな世界の空がなくなるあなたは心を平凡に塗り替える1000年も眠れよ...

相変わらずわけのわからない事言ってます3

(11)店内は細長い。全席カウンター、奥のほうまですさーっと、奥歯はお母さん、席があって壁が近く、中央に店員の動くスペースがある。客が向かい合う形。まあ、正直よくわからんけど、狭いということです。その近い壁にメニューが書いてあって、これがなかなか豊富でありまして、ああどれもらおかいな、と入る時点ですでに戦略商品「梅納豆」に決めているにもかかわらず、念のため検討したわけです。冷た目のお茶がだされて、...

先祖代々若はげ祭

スーパーの閉店直前に滑り込んで、アイスクリンやパンや光の速度で安くなるお惣菜やらを物色している。時間も遅めなので人もまばら、てくてくとお菓子コーナーを歩いている小学2年生ぐらい、と大学生ぐらいの連れ。いとこ同士だと、9割近い確率でいとこ同士だと思う。お盆で集まった親戚親戚、小学2年生がお菓子食べたいと言い出して聞かず、「ほんなら兄ちゃんとスーパーいってき」とほろ酔い加減の大人も、甘いお盆の夜で。小...

相変わらずわけのわからない事言ってます2

(10)朝から騒々しい。鳩がすまし顔で闊歩していて、大きな音に驚いて飛び立つ、スマートに大好きなこの曲と旅に出たいのにな。長距離を巨大な深海魚に乗って移動した疲れ、カーテンによって遮られた光に対するフラストレーション、車酔い、など様々な要素が相まって腹が減る。何か、食べる、ものを、わたしに、ください、というように彷徨う新宿を、わしは飯が食いたいんじゃ、朝7時、空いている店は、例のファーストフード店...

グレーテル、何千万回言えば解りますか?

継母が鞭を打つ、容赦ない。グレーテルは奥歯を噛んで耐えるが、すでに噛み続けた奥歯はガタガタである。グタグタでガタガタである。グレーテルは特別物分りの悪い子だった。そして、継母は教育的な躾の為に涙をのんで鞭を打ち続けている。本当はともにアップルパイを焼いて、ハーブティで3時のオヤツをかましたいのに、涙をのんで鞭を打っている。鞭打ちまくり上げタアル。ヘンデルが務めている缶詰工場から帰ってきた。ワレ、こ...

相変わらずわけのわからない事言ってます1

(9)早朝喫茶は夜のかおり、男女は音楽の話、女の方が趣味がいいね。と、新宿駅西口に降立ったのは6時30分。横浜を越えた辺りで車酔いが私を襲い若干ふらふらになりながら、東京に靴底をつけて、そのアスファルトの上を歩んだのですその私が揺らすアスファルト上に寝転がる、若者、あくまでもファッションとして汚くしたジーンズで、男2名が、酔いつぶれたのでしょうか、ぼったくられて途方に暮れているのでしょうか、なりふ...

5・7・5・7・7

まだ残る君の記憶の輪郭をなぞる夕暮れその少し先...

東京の街に出てきました8

(8)横浜に到着しました。すでに外は明るくなっている。カーテンは開けれはならないことになっているので、光を全身に受けることができない、フラストレーションを感じつつ、メモでもしようかとペンを走らせていると車酔いしてしまう。水を飲み、飴を舐め、してしのぎ、とにかくあと少しの辛抱と耐えていた。結局ろくに眠っていない、わたしはバス無理かも知れぬ、と思いつつ。カップルは横浜で降りていったわけなのですが、降り...

トンボとトンボとトンボの間に空

百姓は鍬を振り上げ、下ろし、耕す、畑を、雑草が縦横無尽に生え放題の畑はただでさえ広い。今の彼には、さらに広く感じる。永遠にその端までたどり着くことはないような気がする。無論、気がするだけで歩けばすぐにたどり着く。鍬を、振り振りして端にたどり着くのが永遠なのである。永遠というと、いかにも遠い、という感じがする。だから彼は一計を案じる、ふう、とひとつ息を吐き、汗が滴る頬をかすめるトンボを追う、いわゆる...

東京の街に出てきました7

(7)それから何回か休憩があって、そのたびに手足を伸ばすため外に出たわけだけれど、だいたい乗客の半分が休憩のたびに外に出てそれぞれ筋を伸ばしたり、尿を放出したりしているわけなのだけれど、全く動かずに眠り込んでいる人も当然いるわけで、その中のひとりが前方のシンイチなのです。シンイチは何度も言うけど2座席にひとりだけという嬉しい処遇を満喫していて、ぐっすりぐっすり眠り込んでいる。それだけなら別に無害だ...

赤頭巾ちゃん、気をつけて

婆、狼を返り討ちにし、待ち構えるは小娘ひとり。なんやわけのわからん宗教団体に加入し、生娘の血が必要、との指示ですんで、待ち構えるんですって。憐れなる狼なぞ、一喝で縮みあがってしまい、縮み上がったところをハンマーでぐちゃり。死骸は時とともに匂いを放つので、ここ数時間が勝負と思っている。そんなこんなを考えているうちベルが鳴る。ベッドに潜む。入ってきた小娘、道草してきよって、このぼけが。そんで例のやりと...

5・7・5・7・7

であるが故、ウォーター流し込む朝に夏の終わりを知ることになる...

東京の街に出てきました6

(6)ひとつ前のサラリーマン風のスーツ男、シンイチ(仮名)は2座席にひとりだけなのをいいことに、通路側に足をぐわんと投げ出して、かすかないびきを立てている。斜め前のカップル、ナギサとノゾミ(仮名)は愛を語り合って時々唇を引っ付けている。隣のカオルコ(仮名)は最初つけていた読書灯を消して、シンイチと同じように2座席にひとりだけなのを最大限に利用して、さらに通路にある補助座席を使用して横になり眠ってい...

東京の街に出てきました5

(5)睡眠を貪る方も御座いますので、完全に閉まっているカーテンを横浜まで開けてはなりません。大津で休憩を挿みまして24時になりましたら消灯になります。私語等も控えてくださいますようお願いいたします。その後二時間毎に休憩を挿みます。20分後に集合ください、集合確認は致しませんのであくまでも自己責任でよろしくおねがいいたします。そして横浜新宿東京ディズニーランドの順に停まります。それでは。という簡単な...

浦島幸太郎の華々しい人生

亀は唾を吐き捨てて囁いた、着いて来な。幸太郎は仕方なく海に入る、すぐに息は苦しくなるが、亀は一行に気にせず潜っていくから仕方ない。苦しくてたまらんが、海底に城が立っていた。あれが竜宮城だ、と亀は言うが、苦しくて何も聞こえない。中に入る。歓迎してくれているような気がする。今にも無くなりそうな意識と格闘し、おぼろげながら歓迎されていることだけはなんとかわかった。水に濡れた不味い料理が並んでいる。魚や軟...

東京の街に出てきました4

(4)同じような背格好の男の子の張り上げる声。やんやんと響く電車の音に負けることなく、しっかり届いてくる「7号車に乗車の方こちらへどうぞー」ぞろぞろに加わってわたしはその方へ。ムラサキのお姉さん「ではついてきてください」急ぎ足で移動、その先頭にわたしは続いてく。でーんとあらわれたスタンダードタイプバス、これがスタンダードかぁ。いやもとい、ひょんこりと現れたスタンダードタイプバス。すみっこのほうで申...

家庭教師として甘いココアを飲む?

奈美子さんはビスケットを齧り、ほんの少しだけ、ほんとにほんの一瞬だけ悲しそうな顔をして、しかしすぐにいつもの笑顔に戻り、話を続けた。カズーという楽器のこと、雲の動きのこと、海の広さについて、東京の街にでてきました、アリクイの出生について、チャットモンチーという女の子のバンドについて、虹を探す女の子のこと、柏木夫婦の作るせんべいのこと、やはりとってつけたように由のさっぱり上がらない偏差値や到底見込み...

5・7・5・7・7

僕まだ何も云ってませんでもやはり自動ドアは律儀に閉まる...

町で、あの人の消息を追え

店を出る。たとえ見えずとも空に太陽があるかぎり。その店は、アジアの雑貨を扱う巷でうわさの、わたしは見つけてしまった運命の携帯ストラップを買い終えて、出てきたところ。わたしが買った携帯ストラップはおそらく手作りの一品もので、一つ一つ形も色も違う、その中のひとつ、ほかのは目もくれずそのストラップを握り締めて、何なら頬づりしたいぐらいの勢いだったけどさすがにそれは、大人としてのわたしのプライドが邪魔をし...

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なゆら06

Author:なゆら06
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