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梅食い地蔵2

呼び鈴はピンポンピンポンピーーーーーンポンと規則的に鳴る。押しかたに癖がある。これが地蔵のやり方、なので、私は迷うことなく玄関に向かい、しもたファンデーションを塗りたくらなくちゃ、マスカラや口紅や、爪の手入れだってしてないやん、ちょっとまってください地蔵さん。ピンポンピンポンピーーーーーンポン。それにこんな、スケルトンネグリジェ姿やわあ、あかんわあ。ほれられちゃうわあ。すいません嘘つきましたジャー...

全部後回しにちゃいな勇気なんていらないぜ2

(沖縄編28)名前は忘れました。立派な看板や、案内図なんてどこにもなくて、でもるるぶにはちゃんと書いてあったからきっとあるはずだから、とか誰もがそう思ってて、正直わたしはどっちでもいいと思っていたけど、みんなが妙に真剣だから言い出せなくて、でもそういう感じがわたしは好きだから、あえて言い出さなかったのです。詰まれた岩が織り成すハート型。ここも城跡。なんとなく、そんな気がする入り口っぽいよここ、とた...

5・7・5・7・7

粉雪の音なくマフラー結び目に乗ってる感じで名前を呼んだ...

昭和54年/上半期/直木賞

(田中小実昌作/浪曲師朝日丸の話/一行目は)―赤ん坊たちがそろって赤いウンコをした、と朝日丸はひとりではしゃいでいたという。―朝日丸だけが緑のウンコだったのだ。...

昭和62年/下半期/直木賞

(阿部牧郎作/それぞれの終楽章/一行目は)―夜の9時だった。―おじいちゃんが、朝の散歩に行く、と言って家をでたのは。...

梅食い地蔵1

夏。寝苦しいのは暑すぎるからじゃないし、エアーコンディショナーをガンガンに効かせた室内にいると、季節もわからなくなってしまうそれが怖くて、寝苦しいのであって、決して暑すぎるからじゃないし。つうこた暑すぎるから寝苦しい方がいいのかしらん。いいわけなかろうもん。扇風機でかき回しながらエアーコンディショナーは部屋を冷やして、替わりに地球の温度を少し上げる。ああ、今、私、地球に、なんてことしてるんでしょう...

全部後回しにちゃいな勇気なんていらないぜ1

(沖縄編27)神が置き忘れていった石が寄り添うように重なり合って均等を保つ。沖縄で最も神聖な場所ともいわれている。沖縄第一の霊場、斎場御嶽(せーふぁうたき)。やはり世界遺産。歩いて山道を行く。やがて突然現れる、剥き出しになった岩が圧倒的な存在感でわたしに向かってくる。わたしの内臓に呼びかけてくる。このちいさな島の裸を見た。岩から垂れ下がるつたが曲がりくねって絡みつく。尖ったつらら、から落ちる水を壺...

朝食のロックンロール

朝食のロックンロール朝がくれば紅しゃけをむしゃぶり食えば良い婆が恨めしそうに梅干を舐めているもずくを押し込んでやろうか?屋上のロックンロールぶどうパンの中の干しぶどうをひとつ残らずばら撒いて偉大なる失笑を買えば良い学級委員は唸るだろうもずくを押し込んでやろうか?僕たちのロックンロールのためにはもずくがカスピ海一杯ほど必要さ...

冬眠ひぐまの想う春について(12月)

誰かの振りしてトントンノックする北風みたいに笑ってるのかなあお母さんの匂いのする枯葉のふわふわの毛布みたいにあったかいのかなあ...

平成12年/下半期/芥川賞

(山本文緒作/プラナリア/一行目は)―次に生まれてくる時はプラナリアに。―その次に生まれてくる時はバクテリアに。...

昭和45年/上半期/芥川賞

(吉田知子作/無明長夜/一行目は)―十年ぶりに御本山へ行ってまいりました。―ローソンと吉野家に囲まれておりました。...

やさしさも甘いキスもあとから全部ついてくる2

(沖縄編26)久しぶりの日差しを浴びるような目元の、墓の上に座る猫を見る。赤いハイビスカスの花が咲き乱れている。生まれた場所はゴミ置き場で、父親には結局死ぬまでに出会うことがなかった。母親はいつも不機嫌にし、自分が産んだ子猫に対する興味もほとんどないように街をうろついていた。自分以外に興味がないということは野良猫の中では珍しいことではない。まず、何を置いても生きることに精一杯だからだ。それでも、ま...

(里に下りたお猿の籠は、

どちらかというとよく揺れる。猿の腕枕で眠ると、強い獣臭やこそばゆい豊かな体毛がいつも近くにあって、でも慣れるとそれほど苦にならない。どころかそれがないと鼻がなにか物足りない。と思ってしまう中毒性を持っている。最初はわたしもどうしても吐き気をもよおして、悪いとは思うけど布団を飛び出して、外でいったん新鮮な空気を吸い、それでも再び布団へ戻ってくる。それの繰り返しで、疲れ果ててようやく眠れるという状態だ...

やさしさも甘いキスもあとから全部ついてくる1

(沖縄編25)知っていたんだ、兵隊さんは。全部。旧海軍資料館から旧海軍司令部壕へ。背の高い、青い目の異国から来た人々、なぜだか、外国人観光客らしき人たちが多い。気のせいではなく。確実に多い。狭い狭い壕の中、天井につかえそうな頭。日本人が読む説明文の前を、背を丸めて通り過ぎるとき「エクスキューズミー」がいつまで反響する。立って眠ったという狭い休憩スペースにも、手榴弾で自決した破片が刺さる部屋の壁にも...

破壊(ふりふりとうずうず)

ヌンチャックをふりふりサンオイルをぬりぬりただの灰に戻る夕暮の速度でヌンチャックをふりふり尻をふりふりふりふりと灰に戻る夕暮れの速度で速度でふりふりふっては戻り戻ってはふりお尻ふりふりふりふりヌンチャックと尻「あたしがふりふりだから、あなたもふりふりですよね?」「いいえ、ちがいますわたしはふりふりではありません」「でもふりふりしてますよね?」「これはふりふりではありません、うずうずです」「うずうず...

いろは

悲しい話です覚悟はいいかい?雨は、雪に変わるでもすごい音楽を作ったただいまと言うトーストにバターを塗るるるる目の前に広がるのは誰も知ってる冬の町さどこにあるんだろう、どこにあるんだ今は昨日の朝だ僕は窓を閉めて眠るるるるぱーぱーぱーぱっぱぱぱっぱぱ...

飛び出せジョニー気にしないで実ぐるみ全部剥がされちゃいな3

(沖縄編24)いたるところに猫がいる。首里城だけでない。沖縄の、いたるところで猫を見た。そういえばこの温かくてほわんとした島には猫が良く似合う。海の風を受けて目を閉じている。猫は二アと鳴く。尿のアンモニア臭。野良猫の親子。のすぐ横をかすめて狭い階段を下りる。呼びかけ。「おねえさあん、おにいさん、マンゴージュース、ゴーヤージュースなんでもあります、あります。いかがですか、おねえさん、おにいさん・・・...

あんパンとかばの季節2

かばの季節っていうのは、雪が降り続いてふっと晴れた日のことで、わたしはかばの季節が来るたびにあんパンを齧りながら日記を書く。日記は手書きで、わりと丁寧に思ったことを取り留めなく書き綴る。そのうち、最初の目的を忘れて、妙なタッチの絵を書いている事もある。念のために言えばそれは歓迎すべき取り留めなさだ。絵もできるだけ抽象的な無目的なものが良い。ただそれだけがかばの季節の過ごし方だ。そうこうしているうち...

ハンカチーフは万年雪の底に(後編

「うち、いっそのこと万年雪の底で死にたいわあ」「やめてよ」「だって凍えれるんやで、なんか気持ちよさそうやん」 その日の日差しがきつ過ぎたのだ。じんじんと痛むほど頬は焦がしていく太陽を恨めしそうに見たあと、幸子は唐突に言い出す。扇いでも扇いでも汗は吹き出るし、確かにもう、凍えてしまいたい気持ちは十分分かる。とにかくいま、現在、何か冷たいものが無性に欲しかった。「それにや、ずっと昔の雪に埋もれるんやで...

パンチパーマを俺に植え付けろ(直訳)

パンチパーマはキュートな天体本当に?聞こえるパーマの叫びが「父さんどーです、まま一杯」「いやいや」ママは押入れから出した冬物のパーマをあたしにそっとかけながらそう教えてくれたありったけのパンチパーマを俺に植え付けろ!そしたらお前にもパンチパーマをおすそ分けなかば必然的にネ俺、パンチ生まれパーマ育ち、悪そなパンチはだいたい友だちだけど悲しくなる時もある俺を癒してくれパーマパーマパーマパーマ。街はパー...

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