Entries

スポンサーサイト

悪魔が語るユリネの記憶2

ちょっと前に言ったように僕等は幸せだったし、ユリネのことを考えない日はなかったし、これからもずっと二人で暮らしていくのだと、その気持ちはゆるぎなかった。確実に。そんな時、悪魔はやってきた。それが悪魔であると、今なら分かるけど、そのときは何も分からずただ、得体の知れない何かがやってきたとしか思わなかった。でも怖くはなかった。ユリネに出会ったときのほうが怖かったぐらいだ。ほら、今の君もそうだろう?悪魔...

欲望341?350(ベーコンエッグ伯爵夫人)

・ベッドから出ないで3日過ごす・テキサス州で、カリカリに焼いたベーコンエッグを出すカフェに立ち寄る・止まらない、と焦ってしまうほど急な坂道を駆け下りる・階段をいくら昇っても、足が悲鳴をあげない・こいつ、本物だ、と思われている・格式ばった文章が書ける・取引現場に踏み込んで、怒鳴る・個人的な記念日をちゃんと覚えている・妖精に遭う・見学、と称してラブホテルに入る...

平成15年/上半期/芥川賞

(吉村萬壱作/ハリガネムシ/一行目は)―耳の中に蚊が突っ込んできた。―クルーは蚊の足と胴体を新しいのに替えて再びレースに送り出した。...

「UFO目撃情報」50年分 仏が公開

その情報は危険すぎた。それに誰も気づいていない。ただのくだらない、本当か嘘かも曖昧な情報だと、たいていの人間は思っている。が、しかし、だ。その情報を公開することで、必ず何らかの動きがある、やつらの動きがある。そう確信している。私は知っている。その情報公開がもたらす意味を。おそらく地球上で一番良く知っているのではないかと思う。だから、なんとかしなければならない。たしかに私は無力だ。無力なりに、何かで...

煮大根に微笑を

鍋の底の方にある大根は十分出汁を吸っていてはちきれんばかり、綺麗な琥珀色をしていた。私はそれを、箸で半分に切って、それからもう半分に切って、一口で食べるにはまだ大きいぐらいだけど、一気に掴み口に放り込む。熱すぎて、ほわほわ言いながら、ゆっくり噛んで、染み出す出汁で、口の中をやけどしてしまいそうになりながら飲み込む。むしろ、むしろやけどしたほうがより美味しく感じるぐらいだ。危険を冒して煮大根を欲望と...

欲望331?340(スナイパースパイダー)

・生命線がものすごく短い割に長生き・空想の住人になる・屏風浦のあの娘に恋を教える・胸元のボタンをひとつ外す・艶かしいドレスを着こなす・ガーターベルトにピストル・守るより守られる・命を狙われる程の身分・命を狙うスナイパー・外したボタンを止めてしまったクールダウン...

ストックホルムで舞って猿

 すぐに教室は制圧された。あたしは、前から二番目廊下寄りに座っていて、めんどくせーことになったな、と比較的のん気に古典教師に長いナイフを突きつけている奴を見ていた。そういう危機的状況であるのに、恐怖って何?というぐらい恐怖は感じなかったし、それはクラス中のみんながそんな風だった。ただ、ナイフを突きつけられている古典教師だけが、何やら弱々しくつぶやいているだけだ。 というのは、ナイフを突きつけている...

欲望321?330(誕生)

・意外なしぶとさ・アメリカで子供が好んで食べるような緑色のお菓子を貪り食う・出産に立ち会う・出産する・出産にやきもきする・もう一度出産される・双子として出産される・命のリレーに加わる・栗の王様、モンブランに登る・聳え立つ...

5・7・5・7・7

タータンのチェックを首に巻きつけて振り返らない戦士のように...

5・7・5・7・7

ダメやめていけませんと言う手に持ったホットココアがこぼれちゃうから...

欲望311?320(運について)

・一瞬の風になる・街角に落ちている空き缶を、躊躇なく拾う・そうやすやすと照れない・困っている人がいたら声をかける・困ったら人に声をかける・奇跡的なぐらい均等にケーキを切る・ここぞと言う時のジャンケンに勝つ・宝くじで3億円当て、全額寄付する・宣誓をする・裸足のままでいく...

5・7・5・7・7

ため息の向うに昇る三日月が尖ってるって確かめていた...

欲望301?310(変身)

・粋に、てっちりなべでもつつこうじゃないか亀さん・鰻と梅干を、腹を壊すまで食う・時計と言う時計をすべて壊す・からすに啄ばまれる・からすがじゃれてくる・町の住民がゾンビ化しても、最後まで生き残る方の登場人物・銃を撃つ・常識などかまうものか・孵化して・飛び立つ...

ピアノガールと二番目の悪魔

冬がやってきて終り、春がやってきて終り、同じようにして夏、秋、が終り、もう一度春がやってきたとき、彼女のもとに二番目の悪魔がやってきた。悪魔は最初の悪魔と違い、はっきりとした形を持っていた。それは人間と何も変わらない風で、それが悪魔だという事は、彼が主張しない限りわからないように思えた。それでも、悪魔だと分かったのは、彼の影がなかったからで、そしてやはり自分は悪魔であると主張したからだった。人だっ...

欲望290?300(コンクリート詰めで居酒屋生け簀へ)

・コンクリートなんてかち割ってしまう・迷路で一度たりとも迷わずゴール・コーラを一気に飲み干してもげっぷが出ない・聖火ランナーになる・競技場の聖火を点す役になる・聖火をもてあそぶ・聖火を消す・予告ホームラン・キャッチャーのサインに首を振る・ホームスチール成功...

5・7・5・7・7

回転を止める切なが鳴り出して君のすき間を埋める音楽...

りんご畑でつかまえて

食卓に並ぶ無数の料理を平らげて、簡単に用意して僕たちは、外へ出て「晴れてるし外で記念に写真とろう」と言い出した彼女の言葉を受けて、皆が、やれやれ、と外に集まって来る。彼女のこれからが、僕によって幸せになるのならそのほかに何もいらないし、僕はそのために生まれてきたんだとさえ思う。そうだろう?「あのへんいちめんりんご畑だったんよ」「ほんとぉ食べたかったなあ」「庭中ずうっとりんご畑だったんよ」「へえ」出...

欲望281?290(月の砂漠を)

・ようやくサバンナを見つける・フタコブラクダにエミリーという名をつける・実際に猫の手を借りる・ため息がもれるぐらいうまくワルツを踊る・砂に埋もれる・理想体重をキープ・付くコーチの濃さにおののく・力石という名前の永遠に届かないライバルを持つ・躊躇なく顔面を打つ・燃え尽きて灰になる...

平成10年/上半期/芥川賞

(花村萬月作/ゲルマニウムの夜/一行目は)―僕の耳の奥、鼓膜に接するその内側に仕込まれているのはわりと性能のいい銀色をした音叉だ。―そして、僕の耳の奥の奥、脳に接するその内側に仕込まれているのはわりと賢いふかふかの毛をしたシーモンキーだ。...

ビリーヴ

夏が過ぎて、少し背が伸びた通り向かいの珈琲屋で夕焼けが僕らの頬、つよく照らすぼくはギターを探した生まれたてのメロディ、街並染めてくだから、ねぇ、終電を待とう君はうなづいて、目を閉じるようやく街の音が止んでぼくはギターを鳴らした生まれたてのメロディ、街並染めてく願いは叶っていく願いは叶っていく壊れそうで痛いぐらい君の鼓動大きく響くから、そばにいて響くから、そばにいるららら...

Appendix

プロフィール

なゆら06

Author:なゆら06
FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。