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平成4年/上半期/芥川賞

(多和田葉子作/犬婿入り/一行目は)―昼下がりの光が縦横に並ぶ洗濯物にまっしろく張りついて、公団住宅の風のない七月の息苦しい湿気の中をたったひとり歩いていた年寄りも、道の真ん中でふいに立ち止まり、斜め後ろを振り返ったその姿勢のまま動かなくなり、それに続いて団地の敷地を走り抜けようとしていた煉瓦色の車も力果てたように郵便ポストの隣に止まり、中から人が降りてくるわけでもなく、死にかけた蝉の声か、給食セ...

5・7・5・7・7

世界中の前髪揺らしてあげるわと疾風のあとについていく鳥...

昭和62年/上半期/直木賞

(白石一郎作/海狼伝/一行目は)―彎曲した断崖がしぜんの深い入江をつくっていた。―影からそっと顔を出すアキ子はブルース歌手だった。...

まぐろ その17(結婚式編)

「まぐろ その17(結婚式編)」それは涙だったのかもしれない。娘が嫁いでしまうという喜びと悲しみとが入り混じったからだのそこからくる振動だった。マグロは人目をはばからずに目から液体を流した。涙というレベルの塩分ではなかった。潮水に限りなく近かった。それもマグロの体内で凝縮された死海よりも濃い潮水だったマグロは、ぬぐうこともせずにただ嗚咽をあげた。静まり返っていた。マグロが号泣しているのである、誰が...

斎藤和義

ウェディングソングでようやく脚光を浴びた感があります。それまでにもコアな長いファンがいて、歌うたいのバラッドなど名曲を残しています。老人の歌、が好きですね。これは、ファイアードッグに入っています。たしか。すぐにわかるのではありませんが、なにか徐々に効いてきます。正直最近の斎藤さんはあんまり好みじゃなかったのです。5秒の再会なんて好きですし、ウェディングソングは誰か昭和の時代の名曲のカバーかと思って...

LITTLE BUSTERS/the pillows

この人たちも長いこと確立したいぶし銀的な位置に甘んじることなく、荒々しく、馴れ合いになることのないとがった音楽を届けてくれます。わたしはベストソングの3位以内を常にキープしているハイブリットレインボー。アナザーモーニング、など、大変エモーショナルな響きが切なさを駆り立てます。痛々しさすら感じます。3ピースバンドであることを確かめるようなシンプルさ、それで突き抜けていく。恐ろしい、なぜこんなにも無防...

青盤/ウィザー

ウィザーファーストアルバムは名盤。さえない風貌の4人が、成し遂げたロックは、孤高なところで、鋭くとがっているのに、その腕は伸縮自在で、こんなにも低い街のわたしたちのところまで、伸びてくる。抱きしめられて気づいたら、自分がやけに高いところにいて、そんなこと簡単にできそうな気がしてくる、錯覚。クオモさんの叫ぶ声は、かすれて、高いところで届かぬが強引に引き寄せる吸引力、ざんざんと鳴る。真の部分に届いて、...

15 angry men/カジヒデキ

あれえ?カジくんじゃない?なんと挑戦的、カジくん、クイーンサウンズバブルスアゲイン、ミスタースェーデン、過渡期にあるアルバムです。そういう時期は前後がありはじめて、素晴らしいと思える。それ自体は中途半端な印象も受けますが、この後、このような変化をとげて、という面白さ、そのトータルで見てはじめていいなあ。と思えるので、それ自体を聞いたときにはなんとなく、印象に残らない、何をやろうとしていたのか、疑問...

スリーアウトチェンジ/スーパーカー

このアグレッシブさは貴重です。スーパーカーはこの後洗練されていき、音を大切に置いたのではなく、できるだけのことをやって、それ以上は望まないし、投げやり具合が絶妙です。まだ、何もわかっていなかった頃の、なんとなくいい感じの音楽を作って、いい感じに評価されて、いい感じに演奏してて、インタビューでもいい感じのこと言って、笑って、生きていた。そのゆらゆらゆれる揺らぎが、たまらない。確実な方向はなく、あっち...

オケピ

「ミュージカルを愛するすべての人と、そうでないすべての人に捧ぐ」全人類対象っ!とつっこみまして、三谷幸喜さんによる傑作(と言い切ってしまう)ミュージカルコメディ「オケピ」です。ミュージカルですから各出演者がどんどん歌いだし踊りだします。ソロ楽曲もあり、11人のそれぞれ特徴が出た舞台です。洗練されたユーモア、嫌でも感動してしまう声量の布施明さんと天海祐希さん、瞬きをすることを忘れてしまいそう。ミュー...

COVER GIRL/つじあやの

強い癖はありません、さわさわ流れている鴨川の流れのように、立ち止まりつつ、なんとか流れていく。それがつじさんのうたの良さです。どこか曖昧で、弱気な男子をうたう、そのたたずまいから、ボブ、眼鏡、ウクレレ、思春期男子のそれ。アレンジを加えて音を重ねた東京サイドよりも、ウクレレ一本、京都のあらゆるところで弾き語る京都サイドのほうがその魅力がよくわかります。そして、何か極めたいと思っていたのですが、これし...

TEA/カジヒデキ

軽やかなるスェデッシュ・ポップを淡々と紡いでちょっと出し惜しみしといて静かな作品。北欧で生活している日常を想像できて、わたしはこんなの素晴らしいなあと思ったものです。音楽もさることながら、ジャケット、30ページほどのブックレットも素晴らしいや!鮮やかな色彩でどこまでも生活感を感じさせない理想郷を想います。かろやかお洒落なポップスに随分あこがれたものです。うたは決して上手くないんです、がその頼りなさこ...

さざなみCD/スピッツ

さあ走り、続けて何年ぐらいになるだろうか。相当長い間第一線でその座を守り続けている説明不要のバンドです。あらためてもういう必要もないのでしょうが、その魅力は、さざなみCD(!)にも収録されていますが、魔法の言葉、言葉の力がひとーつ。さらになぜそんなにも単純なコードで心にすんと届くメロディを描けるのか、楽曲のどんなに生み出そうが決して落ちない質にもうひとーつ。誰が歌っても響いてくる歌の良さ。まずはう...

5・7・5・7・7

カウンター席右端でほくそえんでいやがるカマキリの奴...

5・7・5・7・7

駅ビルの人もまばらな地下2階エビフライサンドウィッチは熱い...

5・7・5・7・7

僕サイボーグ味も匂いもわかりませんふいに流れるのは油なのさ...

5・7・5・7・7

9回の裏満塁で青い空めがけて開く吾の赤い傘...

悪魔は大根を血で煮る

「悪魔は大根を血で煮る」 魂と引き換えに美味しい煮大根を作れるようになるという契約を結んだ。 拓郎という大好きな男がいて彼は、「あなた間もなく死にますよ」と医者に言われ、「死ぬのは別にいいんだけどただその前に美味い煮大根が食べたい」と言い出し、そんなとき見計らったように悪魔は私の前に現れ、例の取引を持ち出した。 「あなたの魂と引き換えに、何でも望みをかなえましょう」 私が魂を奪われることによるメリ...

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