Entries

スポンサーサイト

空港のコンビニエンスストア

最終便が行ってしまった空港の、24時間営業コンビニエンスストアの電気はまだらんらんと点いている。空港の入り口自動ドアは動かないが、空港を管理する職員はみんな帰宅したが、警備会社の様々な設備が空港内をくまなく監視しているが、コンビニエンスストアは営業を続けている。何のために?と思うかもしれない。ちゃんと意味はある。深夜の空港のコンビニエンスストアを利用するのは風、飛行機が世界中の色んな場所から連れて...

見世物小屋

見てらっしゃい寄ってらっしゃいお兄さん、林檎のように顔赤らめちゃいなお姉さん、こんなものははじめてだ、誰も見たことがないものを見る気はあるかい、見る覚悟はあるかい?見てしまったが最後、もうしらふにゃあ戻れねえ、明日からの生活がとんでもなく新鮮になるこたあ、あたしが保障するね。騙されたと思って一度だけ払う価値はあるだろうよ。人に言いたくなるだろうよ、そうやって伝わってどんどん広がっていくだろうよ、一...

徒党を組む

 共通の目的があった、それだけだ。 目的のために私は手段など選んでいられなかった。その過程など、誰にも関係ない、つまりは目的を達成することのみに集中すればよかった。それをもって私は鳥になる、若鶏のから揚げになる、大きく羽ばたける、羽ばたいてよくしなる弾力と肉汁を存分に含んだところで、首をはねられから揚げになる。そういうことだった。 湯気がのうのうと、とどまることなく上がり続ける天井は、水滴の群れ、...

掃除機のブルース

俺は八月にやってきたぴかぴかの掃除機だぜ吸えないものは何もない、世界のほこりを吸い込んでやるぜかかってこいかかってこい俺は九月に捨てられたぴかぴかの掃除機だぜ吸引力が足りないからすぐに役立たずの烙印を押されたぜかかってこいかかってこいゴミ捨て場のはしのほうは少し肌寒くて風邪を引きそうさ肺炎をこじらせそうさかかってこいかかってこい...

小学生にとっての女、それは割れたガラス

そのわけを話す前に、前提として、切りつけられた小学生のことを話しておく。小学生は11歳で女の子、夏休み前の一年で一番うきうきしているときに切りつけられた。名前は本筋に関係ないのでAさんとしておく。Aさんは3人兄弟の長女、面倒見がよく、すでに頼りにされている。両親が共働きで普段家にはいないから、Aさんが中心となって家事を、弟と妹といっしょになってしている。両親はそんなAさんに対してすまないと感じてお...

最高級コーヒー

部屋に入ったその瞬間から何か違っていた。今にして思えばそれはそのときに気づくべきだったのだ。そのときに気づいていれば、そのコーヒーが我々の想像を超えた代物であり、近づくのはそれ相応の覚悟がいるし、危険であると気づいてれば、あんなことにならなかったのだ。無謀ものの若者は、それを挑戦への高まりと解釈し、ズンズン進んでいった。部屋の中ほど、机の上にカップがひとつ、湯気を立てて、静かにたたずんでいる。肌に...

うどん王子

うどん王子現る 8月某日、休日であればETC装備車は高速道路代が格安になるとの情報を受け、その真相やいかに、と確かめるために我々は高速道路を経て香川へ向かったのである。朝も7時30分、まだ鶏が鳴いているその声が脳内でこだまするような、休日の通常の私の起床時間からいえば早朝である。少々ふらふらとしている、なにせ昨日までの一週間、汗水たらして働き、働きしていたのである。金曜日の夜は羽目を外して夜更かし...

廃墟病院

朝は遅い。なぜなら夜も遅いから。夜はやってくる若者たちをもてなさなければならない。せっかくやってきてくれるのだから少しはひやっとして帰ってもらいたいと言う廃墟としての意地、プライドって言うのこういう気持ち?はじめての顔なんか見たらちょっとサービスしてよけいにガラスを揺らしたり、発火現象をぱっぱっと起こしたり、いつもより多めに揺れています、燃えています、なんて若者たちを喜ばせたい。昨日、テレビがきた...

気弱カモシカ

「はあ、そうですねえ」とカモシカは行員の説明にわかったようなわからぬようなしかし、決して再度質問を繰り返すような強気なまねはせずに、曖昧にうなづいた。定期預金と普通預金、その違いについてわざわざ動物園から聞きにきたというのに、その説明の2割も理解できずに、及び腰のまま。カモシカだからといって、その髪をうしろで束ねて青色のメガネをかけた行員はちっともそれを考慮せずに、最小限度の言葉で説明する。顔色一...

本物志向のジンジャエール

すりおろされたショウガはその繊維をふんだんに残したまま液体に浮かんでいた。そのみずみずしいショウガの匂い、色、そして味が突き抜けていくのを私は感じた。ショウガに持っていかれる感じであった。どこか別の場所に私を運んでいくもの、それがショウガであった。誰もがその刺激、感覚を体験したがり、カフェは長蛇の列ができた。時間にすれば4時間待ちほど、さすがに腹を立ててジンジャエールごときになんでそんなにならばに...

本物!「キモかわいい」なまこストラップ

うごめいているのは気のせいではない。たしかに、ストラップが置かれているベンチの上、ねちぇねちぇ音を立ててうごめいている。一体何を目的に、何を求めてうごめいていると言うのだろうか。その母なる海をあるいは目指しているのかもしれない。先端についた金属は深く体に食い込み、いくらうごめいた所で外れるはずがない。ちっぽけな存在。もろごと持っていかれそうなほどうごめいている。激しくうごめいているじゃないか。本能...

peko

ペコは舌を出した。照れからくる行動だった。ペコは求愛されたのだ。見ず知らずの男性に、髪を短く丸刈りにして、サングラスをかけている。頬にひとつ深い傷跡、いかにも悪そうな風貌であるがその求愛は非常にユーモラスであって、それを見ている人々を微笑ませた。男はペコのうしろから絡み付くように肩を抱き、足でリズムをとってステップを踏んでいる。今にも踊り出しそうなステップは非常に陽気であった。見ているこちらも踊り...

タンゴセラピー

タンゴ踊ろ。踊ろうタンゴ。さあ、あなたもいっしょに、手を取り合って足をあわせて、音楽に、ずんじゃじゃずんじゃじゃ、音楽にあわせて、下手でもいいよ、とにかくいっしょに手足を動かして動かして。そしたら次第に陽気になってくるだろう、楽しくなってくるだろう、ええじゃないかええじゃないか、踊ろう踊ろう、へっへっへ。乗ってきた男に手を取られてあたし、顔を歪めてそれが笑顔に見えるのか、男、いい笑顔じゃないかその...

UDON

うどんのつるつるしこしこを楽しむためには冷やし。太一は目を見開いてそう主張。淡々としているがその目は野獣のもの、彼に流れるその血がその目を野獣にしてしまうのだろう。ことうどんのこととなれば、なればだ。仕方ない。うどんの特性を考えてみてくれ、つるつるしこしここそうどん、それなくしてうどんとはいえないのだろう。うどんは虹だよ君と横でさっきからイライラしたように聞いていた紳士は言う。紳士の名は雄一、歳の...

Appendix

プロフィール

なゆら06

Author:なゆら06
FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。