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001:今(なゆら)

目をつむる春子の今を記憶するためにわたしが詠む100の歌...

鳥のはばたき/ハナレグミ, クラムボン, Nathalie Wise

眼の前のお地蔵さまは言ったよ、やあ、って。わたしは応えることができなかった。愛しのお地蔵さまが眼の前にいて、今さっきまですぐに会いにでもいこうて思ってたお地蔵さまが眼の前にいて、やあ、って言うのだから。わたしは息をのんだ。すんと飲み込んだ。息はのどにつまった。のどで炸裂しそうだった。これではいけないよ、わたしは息をちゃんと飲み込まないと辛い目にあう。いくらお地蔵さまが眼の前にいるからと言ってそんな...

げた箱に手紙を忍ばせていた頃のノスタルジックな思いが戻ってくればいいな

ノスタルジックって何?はん。で、それって食えるの?食えない?じゃ、破り捨てな、といわれた。もうぼくは何もいえない。いえば怒られるだけだ。ぼくはもうこれ以上怒られたくない。ぼくはタバコに火をつける。いったん落ち着こう、落ち着けば新たな道が見えてくるだろう。ぼくはそれを信じてタバコを吸った。タバコの煙というのはこんなに苦かったっけ?煙草を吸ったかいあり、気分が落ち着いてきた。ぼくは何も悪くない。それだ...

Perfidia/The Ventures

ぼくは後ろを振り返ることなく、もう前だけ見つめ、自転車をこいだ。もしも国宝がついてくれなくても別にかまわない。迷子になっても知らないよ、彷徨い誰かに助けてもらえばいいじゃないか。ぼくは知らないよ、という気分で、カラスを振り切るためにぼくは急いだ。ペダルはちぎれてしまいそうな勢いだった。ぼくはありったけの力を込めた。すごいスピードだった。こんなにはやく、自転車をこいだことは、かつてなかった。最高記録...

This turtle is still alive.(この亀はまだ生きている)

しぶとい。とてもしぶとい。もう死んでも良さそうなのに、まだ立ち上がる。頭と手足を引っ込めていて、こっちが油断するとすぐににょきっと出してくる。そこが急所か、と狙おうとするとまた引っ込めるのでなかなかクリーンヒットしない。命中すればもうすでに死んでいるはずだ。かれこれ2時間ぐらい経つ。こんなはずではなかった。もっと簡単にやっつけてしまって、パチンコにでも行くつもりだった。まったくこれでは割に合わない...

ラ・参加します!(なゆら)

題詠ブログ2012参加させてもらいます。今年こそは!早めに投稿します!よろしくお願いします。...

Paperback Writer/The Beatles

いいや、あたしはまだなにもはなしかけていない。なのに管理人さんはしゃべりだす。まるでそこに誰か別の人がいるみたいに。あたしはここにいるはずなのに。管理人さん、あたしはここにいますよ。あたしを感じてほしいのに、全然、あたしの存在を無視して、誰か別の人へのメッセージを発している。それはどういうことなのか、ちゃんと説明してほしい。あたしは管理人さん以外、なにも感じていない。ゆっくりとあたしは後ずさりする...

東京/Base Ball Bear

混乱してきた。目を開けてはいけない、誰かがわたしの耳元で囁く。なんて下品な言い方なんだろう。わたしは若干の興奮をしつつ、目を強く閉じている。誰かがこじ開けようとしてもそう簡単に開けられないだろう。目を開けたらすべて終わりだよ、今の地位や財産名誉などすべて泡となり、消えていくだろう。消してしまいたいなら目を開けたらいい。簡単なことだ。逆に考えたら、リセットできるということになる。すべてを忘れることが...

Waltz For Debby (Take 1)/Bill Evans Trio

カラスに追いかけられている。あきらかにあのカラスの集団はぼくを追いかけている。ぼくが国宝を連れているからか、カラスの気まぐれか。知らないけれど、追いかけられている。正直、怖い。カラスのあのくちばしや爪は脅威だ。あれで思い切り突かれたなら、ぼくは大けがをしてしまうだろう。国宝だって無傷じゃいられない。いくら石でできているとしても関係ない。カラスのくちばしの鋭さをぼくは知っている。しかもたしか、あのく...

Separate Ways (Acoustic Version)/カジヒデキ

ビスケットがさくさくじゃないのに腹を立てて、あたしは管理人さんに文句を言おうと思った。ちゃんとビスケットをさくさくの状態に保っておいてほしい。それはコーヒーのせいではなくて、保存状態のせいだと気付いたから。あたしはビスケットを咀嚼して飲み込んだ。こんなにまずいビスケットを未だかつて食べたことがあるでしょうか。ない、とあたしは言い切ります。だって、あたしにもたらされるビスケットはいつだってさくさく。...

短編の感想書いてみました。

はじめまして、なゆらです、短編と言うサイトの作品を読んでみました。紅と白の間には灰色の世界なんだかいったりきたりでわかりにくい、混乱している文章も含めて作品ということでしょう。だとしたら雰囲気は出てると思う。イン・ザ・パーク桜だったというのは意外でした、演出力がありますね。思いつきませんでした。展開にもうひとひねりあれば、化けるんじゃ、といったところです。ニコチン虫自己との対話。淡々と耐えている様...

やすらぎの地/すぎやまこういち

いつまでたっても彼女は頬をつつかない。わたしはじっと待っている。かなり頬を突き出しているため、ぶるぶるしてきた。これはあまりよくない兆候、感覚は麻痺し、やがて患部が熱くなってくる。この部分がはがれ落ちる可能性がでてきた。わたしがあまりに突き出すものだから、頬の方も気を遣って、前に出る姿勢を見せている。つまり、わたしから外れようと、双方が努力している状態。真下の彼女の眼の前で、わたしはわたしの頬と分...

かごの中のジョニー/くるり

国宝をじっと見ていると、国宝は口を開く。人間の恰好をした石のくせに、口を開くなんてなまいきなやつだ。口を開いて、ぼくになにかを伝えようとしているのか。ぼくは仕方なく、なんだ、と声をかける。こちらから声をかけるなんザ、ぼくはなんていい奴なんだろう。国から表彰されてもいいと思う。「なんだ?」「私は国宝です」「知っている」「あなたは私の声が聞こえる?」「聞こえている」「聞いてくれるのですか?」「聞いてや...

恋人の部屋/曽我部恵一

ぼんやりしていた管理人さんはなぜかコーヒーを口に含み、頬をぷううと膨らまし、あたしのほうをむいた。頬を突き出して、なにか主張している。いかにもその頬をついてくれと言わんばかりです。ここでつかないのは失礼に値するのだろうか。あたしはそういう判断ができない。誤ってしまう。みんなが期待する反対のことを選択してしまう。それがあたしなんだ。あたし自身は納得しているし、別にそれでいいじゃないかと思っているから...

Tango/L'orchestre De Contrebasses

いったん決めたらいてもたってもいられなくなる。それがわたしだ。本来、わたしはそういう衝動的なところがあって、しかしそれを巧妙に隠しているのだ。わたしの本来をそう簡単に見せてはいけないよ、と思っている。いうなれば生きる知恵、生きる上で必要な知識、つまり知恵、よろしい、わたしは慎重な人間ではある。トイレに入る前にTangoを踊ってカモフラージュする人間、トイレに入っているということを知られないようにTangoを...

our music (remodel light) -alva noto remix-/相対性理論 + 渋谷慶一郎

あれからどれぐらい時が過ぎたのだろう。ぼくはまだ彷徨っている。ぼくの目的地はなかなか見つからない。見つからないどころのはなしではない。目的地はぼくが自転車をこげばこぐほどに遠くなっていく。決まった目的地があるわけではない。しかし、ここではない、ここではない、と自分の中の目的地を神聖化し、さらに高いものを求めるぼくの性質から言って、目的地として成り立つものなんて、なかなか見つからない。眼の前に国宝を...

MirrorDance/androp

若い男はすぐに管理人室に入った若い男はすぐにでてきて、町に飛び出した。まったくせわしないこと、小鳥のごとし。けっきょくなんだったのか、全然説明されていないし、自分の中で解決してしまったんだろう。こう言う人が一番困る。自覚していない分、よけいに困る。まあ、いいけれど。別に無害だし。あたしは、やれやれ、とか口にしながら管理人室に入った。管理人室ではこの部屋の主が、コーヒーをずずうといわせて啜っている。...

進化/SAKEROCK

斎藤くんがいなくなり管理人室は静かになった。もともと静かな場所であるので、これが本来の姿である。わたしはインスタントコーヒーを飲んだ。カップに残っていた冷めたコーヒーだ。ビスケットを齧った。これも残っていたものだ。少々湿っている。わたしはこの少々湿っている状態のビスケットが大好きなのだ。サクサク感がなくなり、しめっと粉がばらばらになる瞬間、わたしの唾液はピュッピュと飛び出し、瞬く間に胃に流れ込んで...

コーヒーと恋愛/曽我部恵一

ぼくは必死に話した。うさぎしゃんは目を閉じて真剣に聞いてくれた。コーヒーと恋愛の話をした。君なりのやり方で間違っていないよ、とうさぎしゃんの顔は答えていた。ぼくはとたんに元気になった。やっぱりうさぎしゃんはすごい。ぼくが見込んだだけあるよ、と嬉しくなった。嬉しさのあまり、当初の目的など忘れてしまった。なんにせよ、ぼくはうさぎしゃんと話したかったのだ。それが目的だ、と言い切りたい。達成できたのだから...

督促嬢/ハナレグミ

若い男はうちわをあおいだけれど、ほんの少し風がおこっただけで、他に何もおこらなかった。まあ当然、それぐらいあたしだってわかる。あたしは馬鹿じゃない。男はなにかすごく悔しがっている。もう泣き出してしまいそう。あたしがなにをしたって言うんだ。あたしは何もしていない。自分で勝手に盛り上がって、失敗して、泣き出して、なんて勝手なんだろうと思う。こういうのが草食系なのだろうか。もう死語に近い気がするけれど、...

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Author:なゆら06
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