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コロシアムスタンド/すぎやまこういち

「さあねむるぞねむるぞ」「そんな眠る眠るなんて言ってたら眠れなくなるって」「そうかなあ」「あたいはいつもそう」「そうなんだ」「いっそのこと起きようという意志のほうが大切ね」「起きようという意志かあ」「いつまでもおきてなにもかも見てやるという意志」「なにを見るの?」「これからここでおこることよ」「いったいなにがおこるんだろう?」「教えてほしい?」「みわこしゃんは知ってるの?」「もちろん、あたしは神よ...

超短編11

鶴が父で、父が鶴で...

屏風浦/くるり

狐がじりじりとあたしに近づいている。あたしに触れようものならそれが最後、あたしは剣を抜き、おまえらを切り捨てようぞ、といくら大声で言った所で所詮は狐。人間の言葉などわかるはずもなく、じりじりはとまらぬまま。一匹や二匹ぐらいならなんでもない狐も100匹程になれば一大勢力、簡単には切り捨てることもできまいて、という自負だろうか、狐はどこか誇らしげだ。だいたいあたしは剣を持っていない。唯一武器っぽいもの...

短編の感想書いてみました。4月分

4月度の作品の数々、感想を書いてみました。1 算術やっぱり好きですね、この文章、一種の憧れがあります。終わりの美学、決まっていますが、決まりすぎているような印象も受ける。難しいですねそのバランス。2 多機能傘なにか品のいいエッセイを読んでいるような、感覚。感性が豊かである。どうやったらこういう風な文章を書けるんだろうと考えてみるが、難しい。実に難しくて混乱している。3 11,38 レインボウランナー疾走...

サマーフェスティバル/曽我部恵一BAND

お地蔵さまは片方の手でドアノブをつかみ、一気に開けた。もう片方の手はわたしのむなぐらをつかんでいる。わたしは急に胸ぐらをつかまれて息苦しくなる。なんどいう暴力的なお地蔵さまだろう。まあ素敵。新たな一面を見たような気がした。わたしはため息をつくように、ゆっくり長く息を吐いた。お地蔵さまは部屋に入る。真っ暗で何も見えない。ここから何も見えないその部屋にゆっくりと進んでいく。怖くないのだろうか。お地蔵さ...

無限グライダー/ASIAN KUNG-FU GENERATION

「もちろん、冷えているに決まってるじゃない」「どうして決まってるの?」「ぼくは完璧な人間だぜ?ビールぐらい冷やしてるさ」「どうして急に標準語になったの?」「おいおい、もともとぼくは標準語だったぜ」「そうかしら」「みわこちゃんどうしたんだい?」「じゃあ乾杯しましょう」「そうだね、つまみはなにがいい?」「わたしは枝豆でいいわ」「あいにく、枝豆はないんだ」「残念ね、じゃあさきいかでいいわ」「もちろんさき...

012:眉(なゆら)

「結婚しようか」「いいわ」と言いながら眉をしかめた君の性格...

Thazn/Youthmovies

古く、いかにも狐が出てきそうなビルだった。あと3年もしたら朽ち果てて倒れるのだろう。そういう予感がした。狐はあたしを見るとため息をついた。またオマエか、というようなため息だった。もちろんその狐にであったことはない。にもかかわらず、狐はうんざりした表情であたしをにらんでいる。あたしから何か話しかける必要があるのだろうか、あたしはこういうとき、とても気になっていてもたってもいられない。狐になにを話せば...

Baby I love you/矢野顕子

わたしはその扉を開けようか迷った。開けてしまえばもう戻って来れないような気がした。しかしわたしのまわりを囲んでいる蝶々はそれを開けるように囁いているようだった。わたしの気のせいかもしれない。けれど扉は赤く、あくまでも赤く、わたしの手を呼んでいた。さあ開いて中に入ってほしい。中に入ればパラダイスが待っている。かなしいほどの喜びが満ちている。ここにはなんでもある、嘘ではないなんでもだ。赤い扉は今にも自...

超短編10

ありあわせの材料で作ったが、ちゃんと飛び立った...

Atomic Moog 2000 [Cornelius Mix]/Coldcut

「ミサイルが飛んでくる」「ミサイル?」「あらゆるところからミサイルが飛んで来るの」「みわこちゃんにむかって?」「ううん、わたしにむかってじゃなく、このまちにむかって」「このまちはどうして狙われているの?」「餃子の消費量が日本一だからよ」「ここ宇都宮じゃないけど」「知られていない事実ね」「でも、餃子の消費量が多いのと、ミサイルで狙われる関係性がよくわからない」「餃子は貴重なのよ」「だったらもっと作れ...

超短編9

スティックじゃないのりなら、なんとかしのげる...

LOVE-SICK [Live]/曽我部恵一BAND

あたしはお守りを掲げた。これを狐に捧げたら、混乱は収まるのではないかと思う。狐はあたしを化かさなくなるのではないかと思う。狐だってお守りがほしいはずだ。特にこのおでんの汁がぱんぱんにしみ込んだお守りならなおさら。匂いよ、この強い風に乗り、狐の鼻をひっぱたけ、とあたしは願った。現れる狐にあたしはたのむつもりだ。あたしの願いを叶えてたもれ。あたしの願いを叶えてたもれ。決して難しい願いではありません。む...

スロウイン ファストアウト/ホフディラン

蝶々はひらひらと舞った。それは踊りを踊っているようだった。舞った、とはうまくいったものだ。蝶々の舞う後にわたしは続いた。粉が落ちている。かすかに輝く粉が一本の筋のように続いていた。わたしは導かれしものとして蝶々を追った。蝶々はまっすぐに舞いつづけ、わたしとお地蔵さまをどこかに案内しているようだった。やがて蝶々は何匹も何匹もやってきて、群れとなり、わたしの前、うしろ、横、すべてを覆い尽くすまでになっ...

流星ビバップ/小沢健二

「ねえみわこちゃん、念仏を聞こえなくする方法ってご存知?」「もちろん知ってるわ」「さすが、みわこちゃんはなんでも知っているんだ」「教えてほしい?」「聞いたってことは教えてほしいってことだってわからない?」「わかってる、けれどあなたの意志をためしたの」「いじわるなんだから」「うふふふふ」「まったく魔性の女だ」「魔性の女であることがあたしの生きる糧」「糧ってなに?」「糧はカップ焼きそばと同義よ」「とい...

超短編8

今日の亀は、やけに貪欲だ...

おおきいあい/yanokami

お守りを持ったまま、あたしは家に帰ろうとしている。たしかに帰ろうとしていた。それはたしかだ。あたしは家に帰ろうと急いでいた。なのに、家にたどり着かない。これはどういうことか。あたしが方向音痴だということはわかっている。しかし、しかし自分の家にたどり着かないなんてあり得ない。そりゃあ、慣れないうちはそういうこともあった。裏道に入ってしまったら最後、もう一生表通りには戻って来れないと思うほど、あたしは...

こゝろ

罪を作ってしまった。何度も何度も繰り返し、後悔した日々をへて、今はだいぶ落ち着いている。おしゃれなカフェで午後の休息を楽しめるようになった。完全回復まで後少しと言ったところ。今だからこそ、私はあの罪について、記録にとどめておこうと思う。これが何かの役に立てば、誰かの役に立てば幸いである。私はトナカイであった。また、トナカイは私であった。私がトナカイである以上に、トナカイは私であった。少々ややこしい...

Free As A Bird/キセル

エレベーターから出るとお花畑だった。赤や青や黄色や橙、とても鮮やかなお花が一面に咲いている。わたしは一瞬、天国についたのかと思った。わたしはいつの間にか人間と言う種族を超えて天使になってしまったのかと勘違いしてしまった。だって、エレベーターを出てすぐにお花を植えた覚えはないし、迷い込んでしまったわたしは迷える子羊なのか。エレベーターの表示を見る。たしかに4階となっている。間違いない。わたしはエレベ...

超短編7

写真に写っている大柄のバニーガールは、たしかに父です...

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なゆら06

Author:なゆら06
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