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K-Town Is Burning/ズットズレテルズ

「たとえばさ、この延々に聞こえてくる念仏はどこからくるの?」「それは幻聴というものなの」「幻聴?」「そう、幻聴というのは実際には聞こえていないことが聞こえてくる現象のことよ」「そうか、この念仏は実際には聞こえていないんだ」「決して聞こえていないわ」「つまりぼく自身が念仏を唱えてるってことかな?」「ちょっとちがうわ、あなた自身は念仏なんて唱えられないでしょ?」「たしかにぼくは念仏を覚えていない」「で...

Hide & Seek/9mm Parabellum Bullet

お守りを持っているあたしは最強だった。だってお守りはあたしのコンビニ袋の中にタプタプになって入っている。何か起こったとしても大丈夫、お守りがあたしの身代わりになってくれるんでしょう。そういう仕組みになっている。とあたしは解釈している。たった2500円で永遠の安心を手に入れることができるなんて、なんてお買い得なものを売っているのかしら夢番地は。まったく感心する。夢番地様々、一生ついていく覚悟でござい...

011:揃(なゆら)

まっすぐに揃えた前髪気にしつつ春子はカラメルソースをすくう...

超短編6

亀は兎に囁きかけた、「あたし、あんたの中学時代を知っている」...

ハミングライフ/GOING UNDER GROUND

エレベーターは上昇を続ける。低く音を立てているが、上昇している感覚はない。わたしは上昇しているのだろうか。もしかしたら横に進んでいるのかもしれない。縦移動ではなく横移動、してどこに向っているのか。エレベーターはわたしとお地蔵さまを乗せて、いったいどこに運んでくれるのか。そういえば、揺れている。このエレベーターはやけに揺れている。わたしの頬が引きつっているのは揺れているからだ。お地蔵さまも表情がこわ...

武器商人トルネコ/すぎやまこういち

念仏には種類があると知ったのは去年だ。それまでは念仏なんで言っても同じことを繰り返しているだけだと思っていた。500文字ぐらいのものを言い方を変えて語り継いでいる。それもひとつの伝統技術だろうね、と思っていた。しかし、種類はかなりあるようだ。念仏も、作詞作曲する専属の作家みたいなのがいて、彼や彼女が創り出す。それを和尚が覚えて唱えるという仕組みらしい。和尚は気に入った念仏を買い取るようになっている...

超短編5

神父様、恥ずかしい恰好をしてしまいました、さあもっと、見て...

innocent world/Mr.Children

お守りはしっかりとおでんの汁を含んでいるので、予想よりも重かった。あたしはその重量感に若干ビビり気味に両手で受け取り、袋に入れた。汁が滴り落ちてくる。コンビニの床を濡らしてはいけないから気をつけている。濡らしてしまうと滑ってしまう人が出てくるだろう。当然掃除はするだろうが、おでん汁のぬるぬる感を 拭き取ることは容易ではない。袋はすでにおでん汁でたぷたぷしている。あたしのうしろに客が並ぶ、今、客は少...

010:カード(なゆら)

3枚の絵柄のカードを裏返しランプを消して夜明けを待った...

009:程(なゆら)

といたことない方程式のように吾が春子の髪に櫛をまっすぐ...

White Tipi/曽我部恵一

業務の終わりとはどこだろうか。その厳密な所をわたしは知らない。言われたこともない。なんとなく、このマンションに住み、このマンションを管理してください、といわれている。なにかもの静かで声の低い人にいわれている。だから業務の終わり、はないのではないかと思う。マンションが終了することはない。ということは管理も終了することはないわけで、わたしは24時間管理人としてやっていかなければならないのだろうか。なか...

超短編4

雨上がり、濡れた洗濯物を燃やした家政婦が、姉...

The Ballad Of John And Yoko/The Beatles

沈黙を割って聞こえてくる念仏。念仏かこれは、わからないぼくの耳はいかれてしまったのだろうか。まったくこまったことだ。ぼくは耳までいかれてしまったというのか、だったら困るな。ぼくはすでに頭がいかれている。自覚ぐらいしているさ、ぼくの頭がいかれてしまったというのはもうかれこれ、10年以上前のことだ。きっかけなんてささいなことで、なんだったか今となっては覚えていない。みわこちゃんと出会ったのも大きかった...

超短編3

お母様、春子は今日から夏子になります、どうかお許しください...

Iceman/Dragon Ash

じゃあその、お守りというのをいただこうかしら。まいどありがとうございました。厳重に包んでくれる?かしこまりました、汁がたれないように厳重に包みます。こんなものを買ったなんて誰にも知られたくないんでね。大丈夫ですよ、けっこう買ってる人いますから。そうかな。そうですよ。お客さんの知らない世界がいくらでもあるのです。そうね、そうでしょうね、そう考えると少しかなしくなります。どうしてですか?だってあたしは...

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なゆら06

Author:なゆら06
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