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016:力(なゆら)

弟を力まかせに引っぱって、向こうの虹を見せたい春子...

015:図書(なゆら)

本棚に檸檬をひとつ置くようなくちづけをする図書室のすみ...

学級崩壊/相対性理論

じゃあ帰るよ、泥棒が帰るよ、いいんだね?特になにも言い残したことはないね?帰るよ?アジトに帰るよ?本当に帰るよ、ぼくは帰ると言ったら帰るからね。アジトがぼくは大好きでねえ。そこにいるだけで幸せになれるんだから、便利なものだ。全く便利なものだと思わない?だいたいさ、アジトって響きがいいじゃない。マンション、というよりもアジトと言った方が悪党感がでるじゃない。ん?そうだよ、マンションの一室がアジトなの...

リスになる

朝、目覚めるとリスになっていた。わたしはリスであり、手足をかりかりとならしてみた。すると、それが合図であるかのように、わたしの眼の前にリスがやってきた。リスはその前歯をむき出しにした。リスなりの笑顔であるとしばらくして気付いた。リスがどんぐりを差し出し、わたしにかじれと促しているようだった。わたしはどんぐりをかじったことがなかったため、躊躇した。が、いま、わたしはリスであることを思い出してかじって...

Waltz For Debby/Tony Bennett

お家へ帰ろう、ひたすらにそう思った。願った。これは願いだった。お家に帰ること、それがあたしの唯一の願いだった。少々大げさなことを言っている。それはわかっている。あたしにだってわかっているけれど、お家に帰りたかった。あたしのおうち、落ち着くおうち、どうしてあたしは外に出てしまったのだろうか。ばかばか、夢番地になんて行く必要がなかった。気まぐれ、あたしは愚か者だった。何の意味もなかった。この数10分は...

女の子は嘘と秘密でできている

大嫌い大嫌い大嫌い大嫌い、まったくどっかいって、はやくあたしの視界から消えて、さあ、次にあたしの視界に入ったら命はないと思ってて、いい?はやく、そんな顔しても無駄よ、まったくの無駄、もう終わったの、あたしたちは終わったってこと、まだわからないの、無理、関係修復なんて。次の人生で考えて、今はただ消えてほしい。と、喚き立てる春子さんを眺めていてぼくはどうしようもない性欲がわき起こってきた。自分が自分で...

超短編15

潮が引くと、パソコンがパカッと...

Bug (Electric Last Minute)/Cornelius

家に帰るためにはまずこのチョコレート地獄から抜け出さないといけないわけだ。抜け出すには少々苦労しそうだ。だいたいチョコレートが絡み付いてくる。わたしの身体に絡み付いたチョコレートはどこまでも粘っこく、まるでトリモチのようにわたしは動けなくなってくるわけだ。いやこれはトリモチなのではないかと疑ってしまう。チョコレート味のトリモチで、わたしを捕まえるためにしかけられた罠なのではないか。わたしを捕まえて...

トワイライト人間/ふくろうず

泥棒一家の母のホットケーキがうまいわけないって?失礼な、だったら一度食べてみるといい、納得するだろうよ。あれはね、もう世界に通じる美味さだからね。通常のホットケーキが歩く速さだったら、うちのホットケーキは光りの速さぐらい、それぐらいちがうんだ。食べればわかると思うよ。ぶっかけるものはなんでもいい、メープルシロップとバターでいいじゃないか。それをぶっかけるだろう、そしてバターがちょうどとけかかってう...

014:偉(なゆら)

発情の野良指差して真似をする君を笑える愛の偉大さ...

013:逆(なゆら)

包み紐解けずにいるリビングで逆さまになれどあたしはひとり...

火の玉が向かってきた

あんまりすごい勢いだったんでビビっちゃってね、少し漏らしてしまいましたよ、なにを?ってあーた、あたしに言わせるつもりですか、あたしも大人ですよ、立派な大人、それに言わせちゃいけないよ、だから漏らしたってことでいいじゃない、なにをかは想像してよ、それが大人だよ、え、大人じゃない、まだモラトリアム?知らないよ、いくら現代のモラトリアム期間が延びているからって知らないよ、自分で判断できるからって知らない...

リルレロ/くるり

影はしぶとい。非常にしぶとくあたしについてくる。それもそのはず、引き離されたら最後、もう二度とひっつけない。その必死さが好印象、あたしも愛されているなあ、と実感。影に愛されている、こんなに簡単なことで幸せになれるあたしの才能に感謝しつつ、ぜいぜい言い出した影のために、同じくぜいぜい言い出したあたし自身のために、速度を緩める。景色は色鮮やかに、感じられるにおいは強くなる。ほとんど歩く速度になってはじ...

超短編14

止み、また降り出す前のざわざわ...

開き直り/SAKEROCK

帰らないといけない。そろそろ帰らないといけないんだよ、わたしにだって自分の生活があるんだよ。わかっているのかい?まったくみんな自分のことばかりで全然わたしのことをかまってくれない、由々しきことだよ。これは。わたしはけっこう気を遣っている、他人に対しても最低限度の気を遣っていて、自分のことは二の次だ。本当だよ。それが大人ってものだ。当然、わたしに負担はかかっているよ、いいじゃないか。わたしはそういう...

長短編13

ぼくのはそんなに赤黒くない...

COMBOY/SPECIAL OTHERS

「どうも泥棒です」「早速入ってきた」「泥棒なんで、申し訳ないんですけれど、盗ませてもらいますよ」「ダメダメ!」「なんで?」「なんでって人のものを盗んだら犯罪でしょ?」「はあ、でも、わたし泥棒なんで」「どうして泥棒になっちゃったの?」「聞きます?」「それで気が済むなら聞かせてよぜひ」「わたしは泥棒の家系なんです」「みわこしゃんは消えました、なぜならぼくの想像上の人物だから、第三者が入ってきたとたんに...

窓 [Demo Track]/ハンバートハンバート

狐のいなくなった町はがらんとしている。なんでさっきまで全然感じなかったのに、あの威圧感ってすごかったんだ、とあらためて思う。じゃあ帰るから。あたしは一刻も早く帰るから、ってことで、走った。全速力で走っている。あたしの全速力をなめてはいけない。全速力ったら全速力だ。もう風になっている。風の子の肩を抱いて、一緒に毛布にくるまれている。あたしたちは一心同体であると、言い切る。風の子も、やがて風の青年にな...

超短編12

てっきり彼女は右利きだと思っていた...

Tyree'S Blues/Louis Armstrong

なんといってもチョコのうまさが際立っていて、わたしがこれまでに食べてきたものはチョコじゃないって思ったよ。れはただの砂糖と苦みだね、そういう印象。今わたしがなめているものに比べたら。わたしは夢中になってなめている。天の声がはやくドアに進みましょう、正しい行動をお願いします、と言う。知ったことか、と思ったね。どうせ、ろくなことになりゃしねえ。だったら自由にこのうまいチョコレートをなめつづけてやろうと...

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