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ベリー ベリー ストロング ~アイネクライネ~ (シングルバージョン)/斉藤和義

斎藤和義さんです。割と最近の曲ですが、どこか懐かしいですね。この言葉の量でしょうか、正直言って、あまりかっこ良くないんですよね、斎藤さんのもっとカッコいい曲は山ほどあるから、これはそれほど好きじゃない。けれど、泥臭さが耳に残ってしまう。どうしてそんなことを歌うのだろう。日常を淡々と綴っています。大きなことは何も起こらない。世の中に対する愚痴です。すでに中年になった斎藤さん目線の愚痴です。そんなの聞...

本当は髪を丸刈りにしたかった

丸刈りにした方がすっきりするもの。絶対そっちの方がいいと思う。けれど、言われた。お前はまだ先がある、これからいろんな仕事をしなければならない。できる。だからそのときのために、髪は残しておいた方がいい。わかった、ぼくには夢がある。ひとりで船に乗って世界を一周する夢がある。夢を叶えるためには資金が要る。資金を稼ぐためには仕事をしなければならない。あらゆる可能性を考えて髪を残すことは賢明だ。だから短めに...

二人のカレーライス/ゲントウキ

ゲントウキの音楽は懐かしい。もちろんそこを狙っているわけだから、その狙いは成功していると言える。けれども一般的に知られていない。あまり一般受けする音楽ではない。どちらかといえば、ひそかに、空襲警報を聞き、電灯を消しながらラジオから流れてくるような音楽だ。家族みんなが息をひそめて、はやく通り過ぎればいいのにね、とかいいながら聞く音楽だ。だからこそ、印象に強く残る世代の人がいる。いいねえ、懐かしいねえ...

変貌するユーベ

最初に、ユーベの様子がおかしいと感じたのは妻のあやだった。あやはユーベを起こそうと2階に向かっている途中に次のような会話を聞いた。2階にいるのはユーベだけであるため、おかしいとは感じたが、ラジオや携帯電話の類かまたは空耳だろうとかまわずにドアを開けた。ユーベは眠っている。別段変わった様子はなかった。けれども先ほど聞いた会話はあきらかにユーベの声だったので、おそらくユーベが寝たふりをしているのだろう...

A Hard Day's Night/The Beatles

ビートルズは4人組だと聞いた。実際に見たことはない。だってぼくが物心ついた頃には解散してたし、実態は知らない。噂でそういうバンドがあって、すごく人気があって、そのうちのひとりは殺されたと聞いた。教えてくれたのはみよちゃんだ。みよちゃんは隣に住んでいて、ぼくに様々なことを教えてくれる。これがろうそくよ、これがマッチよ、これが鞭よ、みよちゃんはそういってろうそくのろうをたらす。ぼくの背中が熱くなり、ぼ...

永い夜/曽我部恵一BAND

曽我部恵一バンドの永い夜は、おそらくバンドの代表曲となる。まだアルバム3枚しかだしていないけれど、すでにその風格は漂っている。むちゃくちゃに突き進んで行く疾走感と、4人で奏でる音、リズム、その一体感、曽我部氏による独自の視点から書いた詞と、完成度は高い。完成度というよりも、無駄がない。この歌になんの無駄もない。バンドとしての必要最小限の音の重なりだけだ。なのに、こんなにも胸に響いてくる。どこで鳴っ...

シーラカンスの常識に逆らっている

あなたはシーラカンスが二足歩行していたと聞いて信じられるだろうか?無理だろう?だってシーラカンスは水中で生活していたというイメージがある。実際、そっち側のシーラカンスの方が圧倒的に多い。けれども今回、発見されたシーラカンスの大きな特徴は二足歩行だった。シーラカンスの学名は正志とされた。その生態が正志に酷似しているという理由からだ。正志は二足歩行でもって、餌を探し歩く。正志の餌は小エビだ。それも生で...

JOY/YUKI

まだ眠っていない。あたしは眠っている、と自覚できていない。だから起きている。覚醒している状態、なのに、身体は動かない。これはきっと妖精が縛っているから。あたしは身動きできない。意識ははっきりしている。まだ30分は眠れそうにない。わかる。わかっている。まだいくつか段階を踏んで眠るのだ。じっと待っている。妖精が去って行くのを待っている。じっと待っていなければまた最初からやり直しだ。慎重にしないといけな...

堕天使ワルツ/サニーデイ・サービス

西田先生は無言でわたしが手に持っている蝶々をつかむと、元に戻した。指を立てたまま、自分の口元に手を当てた。黙っていろということか。たしかにわたしは西田先生が突然現れたことに驚いており、おもわず声を上げそうになっていた。ここは美術館なのだから、声は上げてはいけない。西田先生は正しかった。蝶々はおとなしくもとの位置につく、再び完璧な水着になる。蝶々なのに水着の一部に成り下がる。おまえは生物ではないのか...

超短編17

虹の向こうのローソンを右に曲がってすぐ...

川崎麻世はそれでも別れぬ

川崎麻世は口をとじたまま、埋まっていく。土がかけられていく淡々と、このままでは完全に埋まってしまう。どうして俺は埋められるのだろうとおぼろげに考えてみる。いくら考えても答えはでない。むしろ泥沼にはまっていく感覚。あがくことはできない。手足を縛られているから。きつく、きつくいたいぐらいにきつく縛られている。縛られっぱなしだ。まるで、身動きが取れない。俺は縛られた。なにか悪いことをしたのだろうか。いや...

通り雨/Lost In Time

目覚め、とともに勃起。健全な証拠として検察側に提出。検察側は控訴を検討。健全な男子である、と見なされる。裁判所から健全な男子であるとのお墨付きをもらう結果に満足している。ぼくは満足しているんだから、別にいいじゃないか。勃起はすぐにおさまる。なにもしなければそれで萎える。かなしいようなうれしいような、便利なようで不便だ。相反する感情が同時にぼくの中でわき起こっている。シスコーンを食べる。チョコレート...

CHINESE JET SET [Live]/BEAT CRUSADERS

これが寝入り。その前のかすかな記憶。あたしの唇は濡らされる。妖精の体液により、唇に潤いがでてくる。思わず吸いたくなるでしょう、この潤ったふるるんとした唇の張り、一度経験してご覧なさい。これがあたしのベスト唇よ。妖精のおかげで。この瞬間だけ、あたしは娼婦になる。唇の潤いによってあたしは胸をはる。なんでもできそう。どんな行為だって、やってあげる。トリップしている状態。あたしの唇にぬった妖精の体液によっ...

Spring Is Here/Bill Evans Trio

水着を着た女だ。美術館に水着でいるなんざ、常識はずれ。奇をてらっているがいけないよ、わたしはそっと中尉をしようと思った。女がけっこう好みだったこともある。わたしは女に近づいた、そして気付いた。女は水着を着ているわけではなかった。これは水着ではない。なんだと思う?おそらくアートの一種だったんだろう。女の水着の部分は、蝶々だった。そして女は生身の人間ではなく、藁でできていた。わたしは藁でかたどられた人...

Start/あらかじめ決められた恋人たちへ

みわこしゃんが消えてしまう。存在意義があいまいになってしまって不安定になっている。これは危険、実体のないものが存在意義を問いはじめたら注意、それは消滅する一歩前の状態。別に消滅してもかまわないのなら、そのままにしておけばいい。けれどみわこしゃんは大切な存在。ぼくにとって大切な存在だけれども、ぼくになにができるだろう。そうだ、みわこしゃんの不安を取り除くために、ぼくはみわこしゃんの好きな歌を口ずさむ...

女性、引ったくりの指噛み切る

噛み切ってやったのよ、あんまり腹が立ったものだからね。あたしの鞄を奪おうなんて1000年早いのよまったく、だって、鞄の中には4000円が入ってるのよ。それだけあればどんないい肉が買えると思ってんの。一生食べても食べきれないほどの肉が買えるのよそれだけあれば。あたし独自のルートで。ええ、そういうルートを持ってるの。セレブだもの。セレブは引ったくりの指を噛み切ることがトレンドなの、セレブの間でわね。知...

刑務所のブランチ

いらっしゃいませ、当店のシステムはご存知ですか?かしこまりました、では説明させてもらいます。当店ではブランチシステムを採用しています。つまり朝食と昼食を合わせた形です。その中間ぐらいに一度食事をとり、あとは夕食のみ、一日に2食なんです、よろしいでしょうか?理解できましたでしょうか?お客様、これも財政難のためです、今は誰もが同じだけ負担をお願いしているところです。当然当店でもそのようなことでご理解を...

十月の朝/YOGURT-pooh

するとやってくるのは妖精達です。あたしのまわりを囲みます。すごく素早くてあたしはその姿を見たことがない。けれど確実にあたしのまわりをぐるぐる回りつづけているのです。止まると死ぬの。彼らは。まぐろと同じ原理です。動き続けることが生きる理由なの。あたしは妖精達に囲まれて、身動きが取れない。どっちみち、眠りに落ちてしまうのだから好都合だと開き直るのが一番いいのだけれど、そうもいかない。だって妖精達があた...

017:従(なゆら)

立っている従姉妹はひとり傘もなく駅の降り出す前のざわざわ...

甲州街道はもう夏なのさ/Lantern Parade

西田先生と会う機会があった。あれは卒業以来20年ほど経っていた。同窓会ってわけでもなく、西田先生と偶然会ってしまったのだ。あれはお地蔵さまとドライブしていた時だった。わたしはお地蔵さまの肩を抱き、海を見ていた。同じようにお地蔵さまの肩を抱き海を見ているカップルがいた。お地蔵さまどうしが知り合いだったらしく、ダブルデートをしようということになった。あまり乗り気ではなかった。わたしは人見知りが激しいの...

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なゆら06

Author:なゆら06
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