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船を投げ、波を纏い、大男沈む

男は魚を食って生計を立てていた。魚の中には男に食べられることを拒むものがいた。男は怒鳴った。お前は食物連鎖において俺よりも下にいるわけだから、おとなしく食べられろ。魚は言い返す、誰だって、おとなしく食べられるために生まれたものはいないよ、おいらだって7つの海を知るために生まれてきたんだっておじいちゃんに言われたもの。7つの海だと?男は興味を持った。7つの海とはどういうものだ、説明しろ。嫌だよ説明し...

されど魚は青い羽を広げる

魚が羽を広げる時、それは空を飛ぶときではない。魚は自分を見てほしい、魚はここにいるよ、と言いたいときに羽を広げる。ぱたぱたと少し羽ばたく。当然飛ぶことはできない。水の中で羽ばたいてみるが、波も立たない。魚はあまりに小さな存在だ。魚は羽ばたきながら少しずつ進む。アメリカに行くつもりだ。アメリカにいって、魚リーグに挑戦するつもりだ。魚リーグは世界から腕利きの魚が集まってきて腕力を競い合う。ときには怪我...

短編の感想を書いてみました、6月

神信この改行のマジックはなんでしょう。誤字と相まって、ぐるんぐるんと頭を強制的に回されているような混乱具合に到達しました。狙ってやったことなのか、たまたまか、どっちでもいいじゃない。作品として解釈することで浄化されるんだもの。セキララ・ライフ独白なわけですが、リアリティを感じなかった。それは独白としては欠陥があるわけで、しかし、リアリティなんて必要なのか、という疑問も同時に感じ、面白ければなんでも...

植物のままで

そのままでいい、ぼくはそのままの君が好きなのだ。愛しているのだ。君のためなら何でもできるのだ。本当だ。くじけない、めげない、あきらめない、がぼくのキャッチフレーズだ。君も知ってるだろう?なにか困ったことがあったらぼくにまかせてほしい、ぼくに相談してほしい。ぼくは親身になって君のために、行動するだろう。君の喉が渇いたなら、ぼくの血を君にわけてあげよう。腹をすかせたなら、ぼくの一部を君に食べさせてあげ...

ひとりぼっちのジョージ

ジョージはひとりぼっちだ。ひとりで食事を作り、ひとりで食事をとる。排便も一人だし、オセロもひとり、カラオケもひとりで、焼き肉もひとり。ひとりであることに恥じらいや苦悩はない。ひとりの有効性を十二分に理解しているつもりだ。ジョージは猿だ。大変頭の良い猿だ。どれぐらい頭が良いかと言うと、プラモデルを組み立てられるぐらい。すごく正確に組み立ててくれる上、全く文句を言わないのでジョージにプラモデルを作って...

窓越しに怪しい光、あれは

窓越しに光が見える。淀んでいてなんとなく不気味だ。はっきりとは見えない。光が揺れる。ゆらゆら揺れて点滅する。ずっと見ていると目が痛くなる。光が円を描く。窓越しに光は私にメッセージを伝えてくる。光は文字を描く。残像を使って文字を形作る。以下が、光が伝えてきたメッセージだ。ここにいる、だれかたすけてほしい、ここにとじこめられている、だれかたすけてほしい。見事に形作る。はっきりと読み取れる。私は行動を起...

朝、新聞紙に乗って

新聞紙は乗り物だ。あのほのかに温かく、まだ定着していないインクの匂い。雨が降っていれば少々湿っているその機械によって折り込まれた新聞紙は乗るべき要素にあふれている。まず、長時間の移動が苦にならない。なぜなら移動中に新聞を読み、情報を取得することができる。新聞は毎朝毎朝膨大な量の情報が載っている。ほとんどの人はそれを少し読むだけで細部についてはあまり知らない。興味を示さない。だからその細部についてじ...

感情移入の果てにあるもの

随分感情移入したものだ、私は彼女に援助をする。幾許かの金銭を与える。彼女は礼も言わない。どういう教育を受けてきたのだ、と怒鳴りたい気分にさせるプロフェッショナルだ。どうして私はこんなにも彼女に入れ込んでしまうのだろう、分析にしてみた。彼女は若い。私の歳の半分ぐらいだ。まだ若く皮膚に張りがある。触っているとぷるんぷるんとしていて、気持ちいい。それだけは若いことの特権である。どんなにケアしても、年を取...

うんちくを並べ立てるリスクについて

彼女はうんちくを並べ立てることに情熱を燃やしている。うんちくのためなら死ねると公言している。彼女の頭を叩けばうんちくがはみ出てくる。私はうんちくごと、彼女のことを愛していた。私がそう言うと彼女は得意げな顔をした。そしてまたうんちくが溢れ出てきた。今日のうんちくは愛することについてだった。彼女にしてはシンプルで、ひねりのないうんちくだったけれど、私はとても感動した。それはうんちくを吐き出す彼女が輝い...

猫背が自慢の男がいて

猫背が自慢の男がいた。彼は何かにつけて自分の猫背を自慢した。見てくれよこの猫背、見事だろう?猫が今にも飛び出してきそうだろう?実際に飛び出すぜ、鰹節を振りまいておけば飛び出すことだろうよ、もし飛び出さなかったら打ち首にされてもいい、誓うよ、と彼は言った。それでは、と鰹節を削り、振りまいてみたが、猫が飛び出す気配はない。少し時間をかけて待ってみたがやはり飛び出さない。ぴくりとも動かないばかりか、鳴き...

ろうそくが消えると同時に

ろうそくが間もなく消える。もうその小さな炎はさらに小さく小さく、ゆれはじめた。いつ消えてもおかしくない。その上に紐があり、女がぶら下がっている。女は動かない。消えてしまう。部屋は暗闇に支配される。直に音が鳴り出す。耳を引き裂くような鋭い音である。その音にたまりかねて女の耳から百足が這い出てくる。ぞろぞろぞろと出てくる。女の頬、口、あご、首、胸へと這っていく。まだ出てくる。長い胴を持つ百足である。つ...

ちいさい靴を愛する男の話

ちいさい靴が脱ぎ捨ててある。片手に一揃えが容易に乗っかるほどのサイズ。男がそれを見つけて拾い上げる。片手に乗せてじっと見つめている。すると靴から足が生えてくる。するすると伸びていくそれを男は身じろぎせずに見ている。足はやがて尻を作り、腰を作り、胸を作り、首、腕、頭を作る。女の子が出来上がる。男の片手に不可がかかる。いくら小さな足の女の子であっても、片手で支えるのは一苦労である。女の子はすまし顔でい...

虹がでたということは、誰かが悲しんでいるということだ。孫さんはそう教えてくれた。あたしはそれを信じている。孫さんはいつだってあたしが知らないことを教えてくれる。一見間違っているようなことでも、あとでよく考えてみるとたしかに孫さんが正しいことがほとんだだった。あたしは孫さんを尊敬しているし、孫さんとだったらペッティングぐらいしてもいいと思っている。孫さんはすでに50さんだけど、そうは見えないし、あた...

雨が降るたびに思い出すことがある

雨を顔面に受けている男がいる。彼は天を睨んでいる。背筋を伸ばし、背中は地面と水平になっている。今にも倒れそうであるが、身体バランスの優れた男らしく、微動だにしない。その様にまわりのものは感心している。あと30秒続けたら拍手が巻き起こりそうだ。雨はさらに強くなる。男は目を開けることができない。男の顔面にあたり潰れた雨粒は男の足元に落ち、水たまりを創り出す。水たまりに映っている空は不思議と青く、澄んで...

メタンの雲や雨

メタンの雲の動きは活発だ。大変活発で時々目でも終えなくなって見失う。あれ、メタンの雲はどこいった?と思っているとうしろに立っていて驚かされることがある。そんなときは全力で驚いてやることが大切だ。メタンの雲は寂しがりやで人懐っこい。だからちゃんと相手をしてやらないとすねる。いったんすねてしまったらなかなか機嫌が直らない。だからメタンの雨に間を取り持ってもらわないといけない。メタンの雨の言うことなら雲...

松田聖子50歳

松田聖子50歳、ここに現れる。所々くすんでいるのは経年による劣化である。また、聖子の右手にはマシンガンが装着されている。装着というよりも組み込まれていると言ってもいい。本人の意志で取り外しは不可能だ。しかるべき医療施設に入院、手術の末取り外すことができる。聖子は覚悟を持ってマシンガンを取り付けた。もう後悔したくない。聖子のマシンガンが唸れば誰かが悲しんだ。誰かが涙を流した。涙はつうっと頬を伝って落...

Cannonball/The Breeders

キャノンボールを投げると言う、なんともすごい自信だ。キャノンボールなど江夏しか投げることができないと言われていた。何十年ぶりに公式戦で記録されるのだろう。まだ、ただの冗談かもしれない。勝ち気な性格が言わせただけかもしれない。また、本人がそう思っているだけでそれはキャノンボールではないのかもしれない。ただのボールの可能性はある。ただのボールなら誰にでも投げることができる。キャノンボールか否かの判断は...

オスプレイはいらない

オスプレイがいると静かになる。緊張感が走る。さっきまで笑っていたのにうつむいている。笑顔が自慢のえつ子さんの表情は硬い。これ以上緊迫した空気に耐えられなくなったしげるがしゃべりだす。オスプレイに話しかけてくる。他愛のないおしゃべりである。天気のはなしや、ドラマのはなしだ。誰もそんなこと聞きたくもない。けれども沈黙に耐えるよりかまだましだ。だからしげるに感謝している。しげるもそのことを誇っている。し...

温泉/くるり

温泉に入ろうよ、ってケイコは簡単に言う。一緒に入ったら楽しいじゃない。楽しいってさ、いったいなにをするつもりなの、とぼくは聞きたい。温泉に入るってことがどういうことかあまりわかっていないんじゃないの。わかってる、わかったうえでいっしょに温泉に入りたいの。ケイコはけたけたと笑う。そうか、そうなのか、とぼくはひとりつぶやいた。ケイコはぼくの答えを聞かずに部屋を出て行った。部屋ごとに温泉がついていて、そ...

名波浩の視点

浩は胸の小さな女性を愛している。だから私はぴったりだと思う。また浩の今日の運勢はかなり良いといわれている。だから今日に出会う女性は運命の人であると判断する可能性は高い。つまり浩は敏感になっている。出会う女性に対してかなり敏感になるはずだ。なぜなら浩は占いを信じている。なによりも占いを優先し、その通りに行動するようにしているからだ。私は浩に対してアドバンテージを握っている状態。どうやって浩と出会おう...

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