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雲を絞ったらカルピスが出た

雲があんまりもくもくしているものだから思わず、絞ってみたのです。その前に雲に手を伸ばしたらちゃんと届いた。誰もあんまり実際にやってみたことがないから知らないだけで、意外と簡単に届くから今度ためしてみてほしい。絞るとじゅわーっと肉汁が絞りでて、それが地上にふりそそいだ。人々はまるで蟻の子のように散り散りになる。雲はまだまだもくもく感を崩さず、さらに絞っていると、果汁が出て、その次に白くどろっとした液...

朝は目覚める

朝は目覚めて顔を洗い髭を剃ろうとして、ああ自分は今乙女なんだったと思い出す。乙女なら乙女らしく檸檬の果汁が入った化粧水で顔をぱたぱたやる。誰にも見せたくないよの素顔は、ひそかに化粧をはじめる。今日は化粧ののりがよくない。どうしたことかしら、疲れているのかしら、昨日は午前様だったなあ、少々脂っこいものを食べ過ぎてしまったわい、とため息をつく、ひとつ頬を張って気合いを入れ、さらにファンデーションをぱた...

地球儀は葦の群れでできている

葦はふうらり揺れている、ふうらりふうらり、とつぶやきながら揺れている。あれが葦だ、と地球儀は言う。地球儀は葦のことを知らない。葦である、としかしらない。葦がV6のプロマイドを持っていることも、葦の好物が軟骨だということも知らない。葦は軟骨をこりこりと齧りながら思う。我思う故に我あり、そして吹いてきた風に身をまかせてみる。すると少し強くなれるような気がする。地球儀は葦の後ろ姿を追う。あんなに揺れてい...

そんなバナナは捨ててしまいなさい

先生、バナナはおやつに入りますか?入りませんか?これ、はっきりしといてください。でないとぼくは暴力に訴えます。先生に対しても暴力を惜しみません。むしろ積極的に暴力を使いたい気分です。なんせ先生は曖昧だ。いつだって曖昧模糊、まるで実体のない風みたいなものがすうっと通り抜けていくような存在、それが先生です。せめておやつの定義ぐらいはっきりとぼくらに示してください。示すだけで良いのです。本音を言えば別に...

硝子を割るのは頭を割るのと同じぐらいわるいこと

子どもが硝子を割る。なにかにつけて硝子を割りがちだ。子ども独特のノリで、いとも簡単に硝子を割っては奇声を上げる。やあやあやあ、というようなものや、きえええきえええ、というようなもの。聞いているこちらが何かイライラしてくるってものだ。子どもは硝子を硝子だと思っていない。あの、硝子だよ、え、硝子を知らないの?知らないなんて考えられないな。ふらふらとしてくるよ、これ地震?地面が揺れているの?気のせいだと...

かすみ草を折り畳む

空に口を向けている女が一人、私は彼女に聞く、「どうして空に口を向けているのですか?」女はその体勢のまま応える、「雨を飲んでいるの」やがて女は喉を鳴らすごくごくごくごく。雨が止んでもう数年経ったはずだ。すでに雨が降っていた記憶もない。けれど、女は雨を飲んでいる。つまり彼女は虚空を飲んでいる。雨の記憶を飲んでいる。「美味しいのですか?」「美味しいわけがありますかいなあなた、雨は無味無臭です」「そうでし...

ハイテンションが高じて

やけにテンションの高い男がにやけている。人目をはばからずににやけている男は白のソックス以外のものを着ていない。つまり実質全裸である。男は公道に立ってにやけている。大人は男を遠目で見ながら、子どもはあからさまに見て両親に報告し、あんなもの見てはいけない、と怒られる。それでも男のにやにやはおさまらない。ついに男のにやにやがゆれはじめた。ゆーらゆーらと揺れて男からはみ出てくる。男はなおも全裸である。全裸...

母がニーチェの片腕を持って帰ってきた

母の帰宅は深夜になった。母らしくない。いつもは午後6時には帰ってきて、夕飯の支度をするというのに。私は母の代わりに夕飯を作り、父と弟に食べさせた。彼らは気にしていない。ただ、目の前にある炒飯と中華スープを平らげること以外に興味はない。母は帰宅して、テレビを見ながら待っていた私に対してなにか、よそよそしい態度でただいまと言った。今日はどうしたの、と聞く。いや、色々あってね、と濁す。ますます怪しい。な...

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なゆら06

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