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短編の感想を書いてみました、7月分 その2

彼女たちの戦い 6シビアやねえ。恋するオトメは時に暴力的な衝動を思わせる行動をとりますが、それは盲目になっているからですね。なんか自分のことを言われているような気にもなりますし、いい夢見ろよ、と高らかに言い放ちたいものですね。それは年を取った証拠ですね。南無。あたしのち 5いやいや、やってくれますねえ、読めない。もう汗やらなんやらで目が塞がって読めないよ。でも、いんじゃないでしょうか、突き進んでて...

嘘、嘘、嘘

嘘をつくと鼻が伸びて、前の人の尻に突き刺さるから、前の人は「痛い」と言って睨む。わたしは悪いことをした覚えはない。正義のための嘘だ。誰もが幸せになるための嘘、誤解している。わたしが嘘をついている、というそれだけを見てけんけんがくがく、わたしは睨まれる。困ったのでうしろの人に相談してみる。うしろの人は博識で経験も豊富ときた。まったく相談する上でこんなにもぴったりな人が他にいるだろうか。ちょうどわたし...

短編の感想を書きますよ、7月分 その1

遥か 9すごく豊かな表現が目白押しなのに、それを感じさせないさりげなさ。読後感がすごくいいですよね。これは最後の一行の妙でしょう。展開も何もないけれども、かすかなカタルシス、状況はほとんどわからないなりに示される長い長い物語、うまく1000字でまとめています。お見事。 青い自転車 緑のアンブレラ 7わけがわからない。何を細かいことをぐだぐだ言っているのでしょう。と思いましたよ。けれどね、有無を言わ...

逃げる猿、浮かぶ金魚

猿が逃げている。なりふりなんてかまってられない、とにかく今すぐここから離れたい。猿は必死の形相で逃げる。猿は裸足で逃げている。尖った石や刺のある草に傷つけられて痛いが、そんなことは気にしない。なにしろ生命の危険が迫っているのだ。少々の傷は仕方ない。とにかく逃げるのみ、猿は逃げている。金魚が浮かんでくる。ゆっくりと自らの意志で池の底から浮かんでくる。逃げる猿を追いかけるために金魚は暗い池の底から、太...

生徒

あなたが私の生徒だった。あるときから恋人になった。さらに夫になった。介護者になった。あなたは私に対していつもやさしい。時々、私はあなたが年下だということを忘れてしまう。けれどすぐに私の肉体の衰えや、記憶の途切れから随分年上だということを思い知らされる。あなたの髪はまださらさらで、少しも白くないし、抜けてもいない。皺だってほとんど見当たらない。いつも赤く染めた頬をさせ、皮膚はふるんとしている。あたし...

まるで花のような

君はまるで花のような存在だ。誰もが思わず守ってあげたくなってくる。本能の部分で君はそれを望んでいる。言葉ではなにも言わないけれど、守って欲しがっている。守られるものでしょ乙女って、なんて囁いてみたりする。誰にも聞こえないように。ぼくらは前のめりになりながらも、やはりそれを露にしないでいる。がつがつするのは恰好がよくない。もっとクールでありたい、なんて囁いている。もちろん誰にも聞こえないように。ぼん...

雨、上がり際に勢いを増す

強く雨が降っていた。恋人とデートの予定があり、あたしは買ったばかりの麦わら帽子をかぶりたくて雨が止むのを待っていた。かぶりたい、なんとしてもかぶりたい、けれどこの雨で麦わら帽子をかぶっているなんてただの酔狂になりたくはなかった。恋人はきっとあたしの麦わら帽子を馬鹿にするだろう。そういう男だ。おまえに言われる筋合いはねえぞファック!と思った。雷が落ちた。すぐ近くだった。光がはっきりと見えた。すぐに耳...

そよ風がみえるのだ

ぼくには見えるのだ。そよ風のその顔が見えるのだ。そよ風は目をつむっていて、なんだか眠たそうだ。話しかけたら迷惑そうな顔をした。だからぼくは話題を引き延ばさずにそこそこに席を立った。そよ風に気を遣うなんて変な気分だったがそれはそれじゃない。そよ風はよそよそしく相づちを打っている。話しかけているのは太陽だ。太陽はいつでも陽気に見下ろしている。傲慢さが垣間見えるんだ、とそよ風は陰口を叩く。太陽の弱いもの...

バニラエッセンスをたらすたらすたらす

つらいことがあった。とても好きな人が離れていった。あたしは何も悪くない。あたしはただ大好きな人をあたしのものにしておきたくて、その気持ちに突き動かされてその人の腕にあたしの名前を彫った。あたしは彫師だった。その腕を存分に活用して掘った。見事な昇り龍だ。最初はあたしの名前を彫ろうと思っていたけれど、いざその逞しい腕を前にすると職人としての本能がうずいた。気付けばあたしは夢中で龍を彫っていたのだ。いや...

空は青くあるべきだ

なんといっても青い空がいい。空が青くないとなんとなく物足りない。せっかく沖縄に来てんだぜ、沖縄のイメージが青じゃない。空も海も青。それが沖縄じゃない。雲がね、いっぱい覆ってしまってる沖縄なんて、らしくない。こんなの誰も望んでないよ、望んでないし、見たくもない。願ってもない。つまり誰も幸せにならない。ただ青いだけでいいんだ。7色に光ってなくてもいいし、苺の模様がちりばめてなくてもいい。簡単じゃない。...

にじのかなたへ

にじのかなたへ連れて行ってくれるって言う。本当だろうか、本当です。断言してくるので心強い。それが嘘だとしてもあたしはだまされたい気分だった。これはあたしなりのかけだ。だまされているとしたらあたしの負け、本当ならばあたしの勝ち。勝った場合は賞金をもらいます。1000円をください。たった1000円でいいんです、それだけでいいからもらいたいです。これは賭けなんですから、そこらへんはしっかりと決めておいて...

すこしだけそそぐ

少しだけ注ぐと息を吹き返すはずだ。そう教えられてきた。今までもそうだし、これからだってそうだ。そうに決まっている。少しだけ、あんまり欲張ってたくさん注いだらそれは危険だ。逆に危険だから気をつけた方がいい。そのバランスが大切だ。これはもう経験でしかわからない。だから経験のある私の勘を信じてほしいのだ。自信がある。一定の自信があって言っている。無闇に言っているわけではない。根拠もなく私はこんなことを言...

上から見ているのが兄です

兄が心を閉ざしてしまったきっかけと言いますか、ある事件がありまして、それが私から見ると、他愛のないことなんですけれど、兄からしたらけっこう重要だったらしい。いえ、どことなく神経質なところがあるのは私の方で、兄は元来あっけらかんとして細かいことは気にしない質なんです。ですから、おまえのほうがどうしてそんなに元気にしていられるんだ、なんて言われることもあるぐらいで、いつも愛想笑いをして相づちを打ってい...

かわいいのはおまえだけじゃない2

ぼくは目覚めるけれど、それは別にやりたいことがあって目覚めるわけではない、と言っていた息子の頭を撫でてやる。もう眠っている、強がっているけれどまだまだ子どもだ。あたしは牛乳を温める。夏だと言っても朝の早いうちは寒い。太陽がまだ完全に地面を照らす前、あたしは牛乳で身体を温めるのだ。しんしんと暖まってくる牛乳の、ふつふつ言い出して徐々に、揺れ動く液体状の白、ああなんて、シアワセなんでしょう、なんて言っ...

かわいいのはおまえだけじゃない

勘違いしてもらっては困る、もちろんおまえがかわいいのはわかっている。誰もが認める事実だ。けれどそれがすべてではない。かわいい人はたくさんいる。おまえよりもかわいい人は少ないかもしれないが確実にいる。それを自覚すべきなんだよまず。そこからすべてがはじまる。認めてしまえよ、楽になるぜ。まだ上にいけるってことじゃないか、見方を変えればそれで解決じゃないか。おまえならいけるさ。もっともっと高い位置に届くだ...

ろうそくを灯した群れがいく

ベッドは安っぽくぎしぎしときしむ。あたしは彼と抱き合っている。彼の名前は知らない。けれど名前以外ならけっこう知っている。だからあたしは抱かれる。いいや抱く。あたしが望んで抱いている。彼はあたしに抱かれている。名前を知らないだけで、例えば働いている場所は知っている。彼は病院で働いている。名札をつけているから、それを読めば名前なんて簡単にわかってしまうけれど、あたしはあえて読まなかった。なんとなくその...

あたらしいうずができかけている

まだ小さい。逆に言えばこれから大きくなる要素が溢れている。まるで可能性の塊みたいだ。大きくなるし、形も変える。簡単な呪文ならすぐに使えるようになるだろう。炎系の呪文なら得意だ。熱い情熱を持っているから炎系が得意。反対に水系の呪文はあまり得意ではない。氷系も同じ。炎で攻める姿勢はどこかコミカルで、可愛らしい。頭を撫でてやりたくなってくる。いいこいいこ、などと言いながら撫でてやれば喉を鳴らすだろう。ご...

ここからみえるものすべて2

母親が水をやり、植物がそれを飲む。植物は大きくなる。今や母親よりも大きくなってしまった。皿に大きくするために母親は水をやる。なんのために?いったいなんのために植物を大きくするの?ぼくは母親に聞いてみたい、今度、会うときに聞いてみようと思う。最近母親に会っていない。いつからだろう、もう随分会っていないような気がする。こうして毎日ぼくは窓の映像を見ているわけだけれど、実際にあって話をしていない。食事は...

ここからみえるものすべて

ちっぽけなものである、ぼくが掌握している範囲のもの、庭の木、草花、それらはみんな母親が育てている。丹誠込めて毎日水をやりつづけている。ぼくはそんなに水をやらなくても良いと思うが、母親は世間知らずのお人好しである。母親が水をやるたびにゲップをするのが聞こえる。もう水は足りている。もっと栄養のあるものを欲しているのである。太陽の光りを欲しているのである。母親には太陽の光りを手に入れることはできない。一...

童貞ショー

誰が奪う、奪ってくれる人はいるのか、いないのならあらかじめ言っておいてほしいものだ。こっちだって準備がいる。いない場合はそれなりの覚悟がいる。奪ってほしいとは思わない。半ば強制的に奪われたくはないし、自発的に奪ってほしいと思う相手に巡り会ったなら、それはそれで奪ってほしいけど今のところいない。これからさきも現れそうにもない、以前にはいた。和尚だった。妙齢の和尚だった。目元なんかが色っぽくてじっと見...

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