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虹を操る

虹を作る機械が作れた。利用法などは考えていない。なにかロマンチックなことに利用できるのではないかとぼんやり思っているだけだ。虹は大きさ長さも自在、場所も自在、色だって1色から10色まで、選び放題。これは売れる、売り出せば売れるに違いない。億万長者になれそうだ、虹なんていう実体のないぼんやりしたものを作って億万長者に慣れるなんて。当面の問題は制作費だ。一台制作するのに約10億かかってしまう。これだけ...

息継ぎの日

目覚めると昼で、ぽっぽっぽ、と鳥が鳴いている。ぽっぽっぽ、がどうして鳥だとわかったからというと、以前にも、ぽっぽっぽが聞こえてそちらを見ると、鳥がいたからだ。ぽっぽっぽ、は連続で鳴きつづけ、やがて鳴くことに飽きたように、黙ってしまった。静かになったので、ふとんから出て、ひどく喉が渇いていることに気付き、冷蔵庫を開けて、ジンジャーエールを取り出してグラスに注いだ。グラスを傾け、飲もうとすると玄関ベル...

ヲルガン座の人々を追え

佇んでいる朝が怖い。ただ佇んでいるだけの朝は暴力的に襲いかかり、瞬く間に耳を塞ぎたくなるような音の洪水を運んでくる。人々が動き出す音だ。しばらく聞いていると胸は高鳴り、あたまの奥で小人は鋭い槍を振り回し、身体のいたるところに鈍痛が走る。朝は知らん間にどっかいっている。食事が用意されているので、それに箸を伸ばす。食事は炊きたての飯、なすびのみそ汁、卵焼き、焼き海苔、豪華ではないけれども十分満足できる...

短編の感想を書いてみました、10月分 その4

球体関節人形さん 9物語はなんにも進んでないんですが、ただ描写するだけで成立している。魔法みたいにするすると文章がとけ込んでくるのです。無駄がないこと、一見繰り返し、重複とも思える言葉があることの必然性が、あやふやな一つの文章を成り立たせている。そしてタイトルがいいんじゃないですかね。足跡 8なんにも起こってないけども、とけ込んでくる物語ですね。丁寧で繊細なタッチが嬉しいですね、と思いきや、突き放...

ピザを切るあれ、掲げて迎え撃つ

ピザを切るうえで重要なこと、それは乗っているチーズのほんわり感を崩さぬままに切り目を入れること。そのためには専用の道具が必要になってくる。必要は発明の母である、と誰か著名な発明家は言った。本当にそう思う。というわけで持っている。ピザを切るカッター。円状のカッター、それを押し進めるとピザはしむしむと切れていく。決してチーズを押し付けずに確実に切れていくピザを見ていると、それが日本から切り離された北海...

短編の感想を書いてみました、10月分 その3

親切の魂 8むむむ、やや複雑です、一読して状況がつかめません。けれども、文体は難解でなく、読みやすい。だから読み返す。繰り返しているうちに塊ってのがポイントかな、なんて解釈したりする。こいつは塊なんだな、つまり実体のないものだ。でも意思疎通はできてるしな。そうか、むこうも塊か、同じ実体のないものどうしってわけだ。つまるところ色々と想像しながら読むのは楽しい。#12(仮) 7まあ全然わかりませんけど...

そして演奏者達のえらぶ演奏

鳴り止まないロックンロールはない言い切った美優のバカ、下着を外して、めがねをつけたこうすればよく見えるでしょう何を見る?俺は陽気にギターを鳴らす宇宙飛行士が火星に降りる映像下着を外して見るものではないなだったらどうやって見ようかしらめがねを外せばいい、めがねを外して、一刻も早く毛布に入るべき宇宙飛行士のことが気にならないの?気になるけど、それよりももっと気になることがあるなにかしら君のoppaiあたし...

ショウ子は本能的にそんなテクニックをそなえていて

ショウ子の胸元にちゅーもーく!あのブローチが彼女手作りのものです。素敵ですね。思わず身を乗り出してふんだくりたくなりますね。そんなことしてはいけませんよ。はしたない。ショウ子と話し合って交渉し、ふんだくることです。彼女は売るために作っているのですから、容易に交渉してくれるでしょう。けれどもタダではもらえません。彼女も支える人たちがいて、生活がかかっているのですから。あなたの金品をふんだくられるでし...

ひょいよひょいのひょい

ひょいよ、ひょいのひょい、ひょひょひょい、ひょいと唸っている。彼女の寝言だ。俺は眠ることができない。ひょいひょい、言っている彼女の寝言に合わせて踊るしかない。むくむくと布団を飛び出し、陽気に踊らなければならない。踊らないと彼女は、夢の世界に閉じ込められてしまうと言う。すべては俺にかかっている。彼女の寝言が止むまで、延々と踊り続けなければならない。これは俺が決めたルールだ。想像に過ぎない。大丈夫、踊...

短編の感想を書いてみました、10月分 その2

空をながめる 6何とも言いがたし。犬よ、お前の存在が俺を助けたのだ。ありがとう。よくわかりませんが、犬がでてくるとぽっと心が華やぐのはどうしてだろうか。空を眺める、空には雲が浮かんでいるにちがいない。雲はぼんやりと流れていくに違いない。近未来処理 8作り込んでありますね。1000字ではもったいないですよ。端々にリアリティが顔を出します。素晴らしいんじゃないでしょうか。いつの時代も近未来というものを...

さあ、お話を聞こうじゃありませんか

決して楽しいお話じゃないってことはわかっています。あたしだってね、人間40年もやってりゃわかるんですよ、今度のお話は辛いのだってね。なんとなく空気を読むわけですよ。重い空気、身体の穴という穴からどんよりと重い空気が入り込んでくるんですよ。肌で感じている、この空気、つまり辛いお話だ。辛いにも様々、程度ってものがある。あたしにとってどの程度の辛さなのか、それを一刻も早く知りたいんですよ。対処法が違って...

鮭!鮭!鮭!

昇ってくる!どんどんどんどん昇ってくるぞ!気をつけろ!奴らは昇ってきてお前の防空頭巾の中に卵を産みつけ、精子をかけ、稚魚でうようよにするぞ!稚魚はぐんぐん育ち、泳ぎ、海で出る。帰ってくる頃には数も少なくなっているが、巨大化している。ずいぶん大きくなったものね、などとのんきなことを言っている場合ではない。それがもれなく防空頭巾に戻ってくるものだから、入りきらずにぴくぴくしているそれ、その地面に転がっ...

今日はもう寝る!

今日はもう寝る!...

ににににに!

笑っているつもりなのに睨まれる。いや、笑っているからこそ睨まれるのだろうか。そうだ、そうにちがいない。だってここはサウナで、えらい太い人が入ってきたところで、あたしはその人を舐め回すように見て、それで笑ったのだ。いや、決してその太い人を笑ったわけではない。ただ、太い人のうしろにちいさな子どもがついてきてて、おそらくはその太い人の子どもなんだろうけれど、子どもがににににに、とあたしに向かって笑いかけ...

DOORS

ドアを開けると、風が吹き込み。部屋は冷えていく。ゆっくりと冷えているので私は暖房を点けようと思ったのです。だったらまずドアを閉めるべきだと西沢さんは言うけれど、ダメなの、ドアを開けたのにはちゃんと理由があって、それは西沢さんと私と今ふたりきりだけど、西沢さんと私は密室でふたりきりになったら必ずセックスをしちゃうわけで、私は今セックスをしたくないから。そりゃあしたいときもあるけれど、今はしたくない。...

短編の感想を書いてみました、10月分 その1

レズ/カウガール 7じっくり、下っ腹に重いパンチを喰らわされたかんじですね。なんともいえぬ嫌な読後感。いや悪い意味じゃなくて、なにか重いものを背負わされたような感じね。思わせたら勝利ですよ。なんにも感じないものは感じないもの。ずっしりと残ったってことですよ。しらねえよ 8桐島?映画も小説も見てないけど、なんかこんな登場人物たちがうようよいるイメージ。いいですよね、すごく思い入れしてしまいますよね。...

丸めた背中をさらにかためて、キャッチャーミットめがけて

思い切り投げることだけに集中している。それが俺の仕事だから。サラリーをもらっている。観衆が待っている。悲鳴も聞こえる。これはバッター側の理屈。球を真芯でとらえてスタジアムに運んで、走者を全部帰らせてえ、と祈っている奴ら。俺らはその逆だよ。空振り三振はおろか、飛び出した走者にタッチ、アウト。笑みがこぼれてしまうぜ。指の力をぬいてみる、肩は出来上がっているのであまり力を入れる必要はない。キャッチャーが...

烏賊なりの謝罪

玄関を開けると烏賊がいて、足を一本持ち上げて手を握ろうとする。ぬるぬるしてて気持ちが悪い。ぬるぬるしてるし、吸盤で吸い付かれるときゅうとなるし、烏賊、腹立つわ。あんまり腹が立ったので、この怒りをどうしてやろうか、と考え抜いて決めた。烏賊の骨を抜き取ってやる。所詮軟体動物烏賊、その最後の砦とも言える骨を抜いてしまえばそれはすなわち軟体の、軟体なりのやり方でなんとかなるんじゃない。...

粋でいなせな鮫に首ったけ

出会った鮫が気になっている。町で出会った。瞬間に運命を感じたものの、相手が鮫だったからためらいが生じて困っている。この気持ちをどうしてくれようか、この気持ちをどうやってぶつけようか、そればかり考えている。鮫に単刀直入に切り出そうか、切り出してはたして鮫はやさしく受け入れてくれるのだろうか。おそらく無理だ。噛み付かれるだけだ。噛み付かれて引きちぎられてポイだ。鮫の食い意地の悪さたるや、宇宙。だけども...

あはんて旦那さん、よろめく

少し酔ったのじゃ。今宵は気分がよく、酒がすすみ、飲み過ぎてもうた。ふらふらとしている。足元をぼんやりと見つめる。歩けるのか、歩けないのか、自問自答を繰り返してみる。すると応えてくれる親指。歩けませんて、損な酔っぱらってたら危なっかしいったらありゃしない、やめなさい、そのまま眠りなさい。まだ温かい夜、眠ったって凍死することはない大丈夫、親指を信じなさい。やがて気付くでしょう、困った時はいつも親指だな...

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