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短編の感想を書いてみました、11月分 その3

イン・ザ・タッパー 7うむう、むつかしやむつかしや。理解できない文章はないし、ストーリーもすとんとあたまに入ってくるし、会話にちょっと笑いつつ、読んでしまうと、はたしてこれはなんだったのか。という疑問にぶち当たるのです。答えはないとしても。地面の無い僕達は達観する 8まあ、なんて流暢な日本語でしょうか。いったりきたりしてても、しっかりと地に足のついた文章だった。語り手が小学生であることで、まあいい...

短編の感想を書いてみました、11月分 その2

穴に落ちた男 6えっ、てなる。どういうこと、と読み返してしまうわたしは理解力が足りない。というより集中して読めばそんなことにならないから。イメージの流れるままに読み進めてて、これで何も起こらなかったら逆に面白い、とか思ってて、ヨシノがでてきて、でてきた!とほくそ笑んで、隣に別のヨシノがいたら、ええ!ってなる。驚きは大切です。別れの季節に 7なんとなく察してしまえるのですが、やはり面白い結末です。ジ...

ふわふわのふわわ

ふわわが降ってくる。だから俺はふわわふわわと騒いでいる。とことん騒いでいれば楽しくなってくる。楽しくなってくればこちらのものだ。ふわわはすでに積もっている。辺り一面に積もっていて人々はふわわを踏みしめつつ急ぎ足だ。どこに向かっているのかわからないが、どちらにせよ同じようなものだから、いっそのこと立ち止まれよ。怠けろよ、寝転がれよ、そこらで寝転がって酒を喰らい、眠れよ。大丈夫だ。世の中は止まりはしな...

ボールペンをもてあそんでいる指、蛇みたいや

噛み付いてきたんで、それをいなして握りしめるとおとなしくなって、ボールペンはからから音立てて転がり落ちる絨毯には染みがあって、それは血液だって聞いたことがあるけどたぶん嘘だし、そんなうそをつく意味あるんだろうか、と思うけれどわかる気もして立ち上がる、背筋は伸びて冷たい風が吹いてきたので窓が開いている、外から見ているのはサンタクロースだろうか、いや、借金取りだって、もしかしたら天使かも、でも背広きた...

あいのために死ぬおんな

くだらねえ、とつぶやいてハンドルを大きく切って落ちた。崖の下には巨大なやわらかいきのこがあって、ほわんと車は弾んでいる。きのこは車が落ちてくるたびに胞子を吐き出してそれが、辺り一面舞い上がりて空は灰色。光化学スモッグの影響かもしれないよね、とぼんやり思うけれどちがうちがう、これはきのこが吐き出した胞子であって、文明が生み出した産物なんかじゃないし。けれどね、巨大なきのこだって、文明が生み出した産物...

何度も、何度も眠ればぜんぶ、忘れられるかな

すばらしい感覚を持っている、だから君はもっと自分のことを好きになるべきだ、と言われた。幼い私はまるっきり信じて自分のことを好きになることにした。それまでは自分のことを好きになるなんて考えもしなかった。恋愛対象はいつだって他人だ、二人称単数。自分に恋をするなんて変態、と少し前のわたしなら罵る。罵ったあげくに打ちのめされてまた眠るだろう。忘れたいとも思わないけれど、忘れてしまった方が楽になれる。楽にな...

短編の感想を書いてみました、11月分 その1

確信 7面白かったですね。シンプルにたんたんとオドロキが表現されていて好感を持ちました。細部に矛盾はいくらでもありそうなんですが、突き詰めていけばつっこみどころもたくさんありそうですが、そんなことはどうでもいいんだよ、ただひたすらアイディアを表現するその姿勢が大切なんだよ、とふと思いました。始まり 7丹念に積み上げた積み木をそういとも簡単に崩してしまうなんて。その勇気、たいしたものです。これぐらい...

虹の

午前10時に空を見上げれば虹がかかっており、君は病んだ体を曲げて笑ったのだ。どうして虹を笑うのだ、とぼくは尋ねるが、君は応えてくれなかったね。そのときはなんにも思わなかったけれど、今はわかる。応えなんてなかったんだ。笑うことに意味なんてない。そこに虹の入る余地などなかったのだ。ぼくは君の首のマフラーをほどき、唇に指をあてた。君は指を舐めてくれた。しばらくの間舐めてくれたね。虹は消えずにかかったまま...

男たちはひまがあると空地に集まってキャッチボールをする

ボールはちいさい太陽を隠してしまった。すぐに出現して目をくらませる太陽が、太陽であり続けるように、グローブにおさまるボール。響く音が耳に届く頃、あさってのほうをむいたテルさんが、おいあれ見てみろ、と叫ぶ。そっちを見れば、テレビ塔の先っちょの右、雲があって、その形がおっぱいみたいだった。彼女は風に流されて、乳首がテレビ塔の先っちょに当たるとあんあんと喘ぐように崩れてしまった。テルさんが何か言ったが、...

しかしためらっている時間はない

ためらったら食われてしまう。狼は獰猛で、ぎらぎらした目をしている。足から食われてしまう。その際、ソースは忘れずに振りかけられる。オーロラソースだったらかまわない、けれどもごまドレッシングだけはやめてください、とことわっておく。ごまの風味が苦手だからだ。同じ食われるのならオーロラソースで食われたいものだ、と常日頃から思っていたのだ。オーロラのあのオレンジ色をどばどばかけられて、そのままかじりつけばい...

紅茶茶碗で飯を

紅茶茶碗が置いてある。机には他に何もない。だからそれで飯を食えということだろう。あたしは紅茶茶碗に飯を盛る。こんもりと盛ればあっちゅうまに雪山が発生する。ミニチュアサイズの雪山は湯気を立てている。白飯だけで食える程、あたしは器用ではない。なにか飯にかけるもの、飯にかけるもの、と雪山を彷徨う遭難者さながら。なにもないことはわかっている。何度も確認して、今あるのだから。けれども魔法みたいに突然発生する...

わたしのキャベツ

キャベツを刻んでいる。少し傷んで変色したキャベツはそれでもキャベツとしての本能をたぎらせて、しゃくしゃくと刻まれていく。わたしのキャベツである。キャベツにわたしもあなたも彼も彼女もないのかもしれないけれど、わたしのキャベツである。キャベツはいったん千切りにされる。その上で、わたしから見て横方向にさらに刻まれる。つまり微塵と化す。キャベツとしての形はなくなり、微塵の山が出来上がる。空気をふんだんに含...

パチンコはやめなさいということ

パチンコなんて得なことは何もないよ、言っておくけどね、パチンコで得しているのは一部の蝶々だけだ。蝶々ははたはた舞って、パチンコ台からパチンコ台へ移動しているのは各パチンコ台に蜜が塗ってあるからなのだ。蜜を吸うために蝶々ははたっととまり、食指を伸ばす。バイオリンの弓のような曲線で、あるいはほとんどまっすぐに蜜をとらえ、確実に吸い取る貪欲さを、パチンコを打っているすべての大人は知るべきだ。知ってなお、...

ばからしき衣装

前からやって来る男の着ている服が問題だった。男は紺のセーラー服を着ていた。それだけであればまだ理解できたかもしれない。けれどもソックスはカラフルなボーダーだった。赤青黄色のボーダーが鮮やかで思わず目がくらみそうになって、目を伏せ、ふたたび男を見るも、そこに男はおらず、ゾウガメがあくびをしているではありませんか。男が一体どこに行ったのか、ゾウガメに聞いてみると俺がその男だよ、という。ゾウガメの分際で...

私は母の死よりもひどい孤独にさらされた

便器に腰掛けて息をひそめるのだ。もうすぐやってくるだろう。気付かれてはいけない。ただ、偶然ここに居合わせ用をたすだけの存在であれ、と自分に問いかけている。便器に腰掛けると尿意が生じる。尿意はそのまま、尿を呼び、尿はにょろにょろと降下しはじめる。と、とまらないっ、思わず身もだえて耐える、この尿の勢いはまるでロケット。真上に飛び上がってしまいそう。もう少しで浮かぶ、ほんの少し浮いている。尻は便器からは...

私たちは目的のための奴隷のようである

奴隷であることに恥じてはいけない。奴隷であると胸を張ればいい。奴隷はそれほど悪くない。むしろ温かい寝床と、質素であるが栄養のある食事を与えられる。犬よりは数倍ましである。そのことをしっかりと自覚すべきなのだ。それを自覚せずに、王族と比較して嘆いてはいけない。王族と比較してしまうと、ほとんど大勢はみすぼらしい。対抗できるのは石油王ぐらいである。こっちだって王と呼ばれているのだからある意味で王族の仲間...

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