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まぐろ その25(駄々編)

「まぐろ その25(駄々編)」


なんて活きの良さだろう。誰もがそう考えていた。ただしそれがなぜこの場所にいるのかなんて誰にもわからなかったし、誰も興味がなかった。マグロがおもちゃ売り場の前でぴくぴくぴくぴくと震えている。時価にして300万はするであろう立派な黒マグロであった。なにかの催しかしら、斬新なデパートの戦略的な催しかしら、あるマダムはそう考えていた。しかし、しばらくそれを見ていても一向に係員らしきものの姿は見えないし、マグロ単独の行動である事は明白であった。おもちゃ売り場の店員も戸惑っていた。近寄らないようにしていた。マグロはけーんけーんと泣き叫んでいた。その視線の先にあるのはおもちゃのロボットであった。マグロはそれがほしいと何か訴えているのであった。誰に対して、あるマダムはさらに疑問を持つ。その好奇心は時として災いをもたらす。マグロはマダムに対して訴え始めた。あのロボットを買ってください、さもなくば私はここで駄々をこね続けますよ、という目で見た。マダムはそれを感じ取っていたものの、ええ、ご勝手にすれば、と婦人服売り場に向った。マグロはぴくぴくと動いてからけーんと鳴いた。寂しそうに鳴いた。
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