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昭和11年/下半期/芥川賞

(石川淳作/普賢/一行目は)

―盤上に散った水滴が変り玉のようにきらきらするのを手に取り上げて見ればつい消えうせてしまうごとく、かりに物語にでも書くとして垂井茂市を見直す段になるとこれはもう異様の人物にあらず、どうしてこんなものにこころ惹かれたのかとだまされたような気がするのは、元来物語の世界の風は娑婆の嵐とはまた格別なもので、地を払って七天の高きに舞い上がるいきおいに紛紛たる浮世の塵人情の滓など吹き落とされてしまうためであろうか、それにしてもこれはちょっと鼻をつまめばすぐ息がとまるであろうほどたわいのなさすぎる男なのだ。―


そう、橋田脚本である。
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