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200万本のユリ

百合子は15歳、京都市内の中学校に通っている。ちょっとおっちょこちょいだとかお兄さんは言うけれど、案外しっかり者よと本人は思っている。好きな食べ物はミルフィーユ、ほわっほわのでもサクサクしてる近所の洋菓子店で一押しのイチゴのミルフィーユ。これさえあれば百合子、向こう10年は生きていけるわ、とトモダチには豪語したものの、実際その状況になったなら、3日が限界だろうと気づいている。なんというかキャラクター設定というのを意識しなければこの時代は生きていけないわけで、百合子は権威に実に忠実なのだ。嫌いな食べ物はにんじん。にんじんなんて見るのも嫌、あの独特の甘みがのどにつかえたときに鼻の奥に抜けてくる匂いがたまらなく嫌い。にんじんなんてこの世ならなくなってしまえばいいのに、と思っているが、お母さんの百合子は百合子がにんじん嫌いなのを知っていてわざとにんじんをよく食事に使う。なんとか克服させようと躍起になっている。百合子のクラスの百合子先生はまだ20代前半の、大学を卒業したてのお姉さん、ちょっとだけ頼りないけれど、とっても優しくてみんなから人気がある。特に男子からは絶大な人気。そこそこ美人だし、ちょっと頼りない所が逆に魅力になっていてキュート。百合子も誰にも言わないけれど百合子先生みたいになりたいなあ、と漠然と思っている。百合子の一番のトモダチの百合子もきっと、憧れているんだろうと思う。だけどそれを口に出して言えないんだ。だって、女子の番長、といわれている3年の百合子が、なぜか百合子先生を嫌っているから。百合子に目をつけられたものならこの中学で生きていけない、そんな事情があるわけ。中学生もなかなか大変だ。でも何かつきまとう違和感、日常にあふれる違和感、これいったいどうしてだろうと京都市内中の、いや日本中の百合子はそっとため息をつく。
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