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黒部和牛が逃走

本当に必要としてくれる人のもとに向かうのだ、頭の中に届いた声はそうつぶやいた。こういう声は時々届く。前回は半年ほど舞え、食事をするとよくない、とつぶやき、それに従って食事を抜いたら、たまたま毒が盛られていて、周りの牛は次々に死んでいった。生き残った僕は奇跡と言われた。そのため高い値が付き、宇都宮の都会に送られてきたのだ。あとは解体され、人間の井の中に収まるにすぎない、と思っていた。死ぬのは仕方がない、そういう運命だ。僕はもとから自分の運命を知っていてその敷かれたレールの上の走っているにすぎない。時々聞こえる声はいつも正しく、僕を良い方向に導いてくれた。だから今回もきっと正しいはずだし、僕は従って走った。チャンスは一度しかなかった。輸送車が信号で止まる、そのタイミングを見計らって僕がいる位置から少し上、空いた隙間に飛び上がり、その狭い隙間に自分の体をねじ込む。少々痛かったがかまうものか、僕は正しいことをしているのだ。そう、ここから逃走し、新世界の神となる。
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