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天海さんの涙にドキッとした

天海さんは私よりも5つぐらい年上の女性で、私たちは時々、年に1、2回ぐらいは一緒に飲むことにしている。天海さんがどんな仕事をしていて、家族構成がどうなのか、夫や子どもがいるのかなどは全く知らない。見た感じはいなさそうだけど、天海さんだってもう30代後半だし、いてもおかしくない。私たちはお互い全くと言っていいほど知らないし、また知ろうともしない。干渉しないのが暗黙の了解だった。私たちの話題といえば、音楽のこと、新しく見つけたケーキ屋のこと、今も深海で戦っている大王烏賊とクジラのこと、宇宙の果てのこと、とりとめなくづらづらと、水割りを飲みながら、いつまでもいつまでも私たちは話をした。日が変わり、オーダーストップとなったころ、私たちは毎回違う居酒屋で話をした、天海さんが、もうこんな時間か、と立ち上がり私も続いて立ち上がり、ちゃんと6:4に分けて支払いをして、じゃあ、とわかれた。その日は、オーダーストップになっても天海さんに全く立ち上がる気配がなく、私はどうしたものかしら、と戸惑い始めた。と言うのは、いつもだったら別にいくら遅くなってもいいのだけれど、というかむしろもっと話したいのに天海さんがあっけなく終わりにするからもう、というほどなのに、明日は朝から仕事があって、できるだけ早く帰りたいのに、天海さんはいつもより無口で、でも、ぐいぐいと水割りを飲んでいる。耳にピアスをした若い店員がそろそろ閉店ですんで、と私たちに声をかけた時だった。天海さんの瞳から涙が落ちたのだ。
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コメント

[C446] Unknown

喜んでください天海さんも普通の恋はきっと苦手です。
  • 2009-07-03 00:13
  • なゆら
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  • 編集

[C447] Unknown

天海さんと不倫したいです(普通の恋は嫌です)。
  • 2009-07-02 23:11
  • アクエリアス
  • URL
  • 編集

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