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ハーメルン

川沿いの、一方通行の道を歩いていく。私はひとりで、すこし酔っ払っていて、出ていた月が、川の流れにぼんやりと映っていた。ウシガエルの鳴き声が時々川のほうから聞こえてくる、その地響きのような低い低い鳴き声は、笛にも聞こえる私の鼓膜をかすかに震わせている。風が吹いてきて、前髪が浮き上がる、はたはたと揺れる。住民は深く眠っている。深夜の道。通りかかる一台の軽ワゴン、随分荒い運転で私を追い抜かしていく、すこし前で急停車し、ドアというドアが一気に開く。何か意味のわからないことを叫びながら、それぞれのドアから計4人の人間が飛び出てくる。あれよあれよという間に私は出てきた人間に腕、足を掴まれて宙に浮く。4人の力はとても強く私は何もできない。突然のことに思考は停止し、目に映った月がやけにきれいだ。軽ワゴンのほうに向かっていることがわかる。焦っているのか、4人はやけに急ぐで、頭はぐわんぐわん揺れる。気持ちが悪い。軽ワゴンの後部座席に投げいれられ、続いて人が入ってくる。私は圧迫され、体中が痛い。やがて軽ワゴンは動き出し、エンジンの音の間にたくさんのはげしい息遣いが聞こえる。
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