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ホームレス襲撃

「怒るのが面白くてどんどんエスカレートした」と理由を話した。私は鼻で笑いながら、一種の危うさを感じた。少年に反省する気配はなく、むしろその様子を誇らしげに語っているのだ。面白くて仕方がない、あの怒った時の顔ったらないぜ、わくわくしちゃう。少年は次第に興奮してきたのか、ふるふると小さく震え出した。ああ、たまらねえ、あの弱いものが無力なものが、どうしようもない災難にかかって、なんとかやり過ごそうと決めた時の、自分の運命を受け入れた時の表情。かっくいい。かっくいい。それを見たくて見たくて、とにかく。と、それを黙って聞いていた天海さんが立ち上がり、少年に歩み寄り、その頬を、幾分赤らんだ頬を打った。突然のことで静まり返る、ぱんと鳴った残響が跳ね返ってくる。少年は薄ら笑いを浮かべたまま、怒った?とこびたような表情、天海さんは表情を読めない無表情、とても怒っているようでもあるし、何とも思っていないようでもある。天海さんは、ごめんと吐き出すようにつぶやいて、その場に座り込んだ。天海さんが何に腹を立てて、少年の頬を打ったのかよくわからない。
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