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本物志向のジンジャエール

すりおろされたショウガはその繊維をふんだんに残したまま液体に浮かんでいた。そのみずみずしいショウガの匂い、色、そして味が突き抜けていくのを私は感じた。ショウガに持っていかれる感じであった。どこか別の場所に私を運んでいくもの、それがショウガであった。誰もがその刺激、感覚を体験したがり、カフェは長蛇の列ができた。時間にすれば4時間待ちほど、さすがに腹を立ててジンジャエールごときになんでそんなにならばにゃならんのか、と怒鳴り出すものもいた。たいていは中年の脂の乗り切った男であったが、並んでいる人々はそのような輩に冷笑を浴びせた。せいぜい吠えろ、吠えてどこかへいけばいい、その分早くその刺激を俺がいただけるだけだ、とほくそ笑んだ。店のショウガの消費量は目を見張るものがあった。たった一軒で栃木県のショウガ消費量を凌駕した。してなお増え続けている。ショウガが全国各地からカフェに舞い込んだ。ぜひうちのショウガを使ってください、うちのショウガはさらに刺激を強めてみました、うちは値段を下げに下げました。やがてショウガが底をつき始めた。ショウガを必要とする人が激怒した。一軒で使うなどとは不公平じゃないか。だが使ってしまったものは仕方がない。その人気を盾にカフェはどこまでも強気であった。
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