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逃げたサル捕獲、餃子の王将で

猿がはじめに頼んだのは餃子、その次も餃子、さらに餃子、餃子と続いて餃子。5皿を平らげた猿はなるほど、とつぶやいた。とにかく噂の王将に行ってみたかった。リーズナブルで美味い、庶民の味方王将に行くことが夢であった。どんなにリーズナブルなのか、どんなに美味いのか、試してみたくて仕方がなかった。まだ猿で試したものはいなかったから、俺が一番になり、あとに続くものの道を切り開く、パイオニアの覚悟であった。担当の飼育員は木曜日に王将の匂いがした。水曜日に王将で食べることを決めているようだった。猿はそのにおいを嗅ぎながら王将について想いを馳せた。やってくる猿に、例外なく王将のことを聞いた。ここに来る途中で王将を見なかったか?王将って何?と返されることがほとんどだった。一度だけ、たぶんここに来る前にそこに寄ったような気がする。寄って俺を運ぶトラックを王将と書かれた看板の下にとめて、運転手が中に入って行ったからたぶんそうだろうここからそんなに遠くないぜ。猿は小躍りに喜んだ。それほど遠くない位置に王将があって、俺を呼んでいる。俺がこんなにも恋いこがれているのだからむこうだって俺のことを恋いこがれていない訳はない。と考えた。ある日、猿が食事を終えると檻の出口が開いている。飼育員はすぐそばにいるが、全く注意を払っていない。今、俺が駆け出せばおそらく逃げ出せる。思ったときにはもう体が動いていた。その後どうなろうと関係ねえ、とにかく王将だ。息もせずに走って檻から出た。飼育員はその音に気づいているはずなのにこちらを向かなかった。背中が、食ってこい、と語っているように見えた。飼育員さんこの恩はかならず返すぜ、猿はつぶやいて町を駆けた。やみくもに王将を探した。匂いのする方へ駆けた。俺は猿だぞ、王将ぐらい見つけれなくてどうする。そして見つけた。王将だ。猿は駆け込んだ。店員は驚いた。猿はつまみ出される前に客であることを知らしめるために餃子一丁と注文した。店員は驚きながら席を案内し、注文を受けた。猿は出てきた餃子を食った。むさぼり食った。美味かった。これが王将か。もう一丁、注文した。食った。注文した。食った。やや胃がもたれてきた。なるほど、とつぶやいた。注文した。食った。満腹感と戦いながら、注文した。食った。口数が減ってきた。水をよく飲むようになった。店員が横にいた。ギブ?聞いてきた。首を横に振った。しかし展望は非常に暗い。注文した。食った。猿は水を口に含み、手を挙げて、ギブアップした。警察がきた。
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