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うまくいっているアイツに嫉妬しても疲れるだけで何も生み出しません

そうかいへっへ、と笑い飛ばしやがった。俺のことを人だと思っていないのだ。俺はずっと前からライバルだと思っていた。永遠のライバルだと思っていた。アイツと張り合うことがライフワークみたいに思っていた。それが何だアイツは俺のことなど全く見ていなかったどころか、俺の存在すら知らないのかもしれない。なんという現実のつらさ。俺は悲しい。が、その悲しみをここであからさまに表現してはいけない。絶対にいけない、俺が悲しんでいると知れば、それを悲しむ人がいるから。俺は俺を評価してくれる人を悲しませたくない。アイツは、アイツならきっとそんなことを考えずに、みんな楽しくやれば良いさとかなんとか調子のいいことをほざいてうまくやっていくだろう。俺にはそれができない全身全霊でものごとにかからなければならない、俺はそう自分に言い聞かせている。手を抜かないことが俺の性分で、俺のアイデンティティだから。俺は怒っている。アイツに一泡吹かせてみたい欲望で我を忘れそうだ。いっそのことそうなれば、自由にできるのに、と思うこともある。だが、俺はその欲望に抗い、あくまでも自然の自分でいたい。自然に実っている形で。そのまま食べられたい。その酸味たるや、溢れる果汁たるや、甘みたるや。アイツはあくまでも砂糖の力を借りて強がっているだけ、元々俺たちは同じ場所で生まれ育ち、遊んできた、もぎとられてきた。ほんの些細な差で道を別れた。言っておくがこの時点では俺の方が評価されていた。そのままで召し上がれるから今の俺の位置にいるのだ。アイツはそのままでは召し上がれないから、様々な手術の末、切り刻まれて、つつまれて、焼かれて、店頭に並んでいるだけで、能力的には俺の方がだいぶ勝っているはずなのに。アイツは自分の方がもてはやされるから勘違いし、俺を見下すのだ。いや、俺の存在も忘れてしまい俺のほうを見ずに、ひたすら消費者の顔色をうかがっているのだ。消費者はなるほどそんな素直なアイツの方を好むだろう。しかし俺はあくまでも俺であって。

アップルパイを厳しい目で見つめる林檎を切るとほのかにあたたかかったので捨てた。
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