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爆弾発言

これは爆弾発言である。
紛れもなく爆弾発言であり、さらに言うならば実際上の意味からも爆弾である。
彼が発言した直後に半径2km範囲内生存率は2%という数値として現れている。
なにが起こったのか、それを説明するには随分さかのぼらなければならない。
そして正確に記するためにあえて、関係のないことも記述する。一件関係のないように思えても後で考えてみればつながっているということは往々にしてあることである。
まず、そうだね、あらためて考えるとふと何も記述することはないような気がする。ゆっくりと思い出す。コーヒーを飲もう。落ち着いて考えなければ何も思い出せないし、何も出てこない。あせらずにコーヒーを飲もう。
湯を沸かし、豆を挽いて香ばしい匂いは部屋に広がる。
いや、コーヒーはここには存在しない。
ここは爆発で吹き飛んだ半径2km内である。
では誰が存在するのか。誰も存在しない。幽霊のようなものか、と思ってもらいたい。幽霊はこの世に存在する、意識のようなものはゆらゆらゆれて具現化する。それをみなは幽霊と呼んでいるだけで、不思議でもなんでもない。怖がる必要もない。
幽霊のような存在は普段、人間の目に見えない。
ふとした瞬間に現れるから驚き時に心肺停止に追い込んでしまうが、いつもいるのだ。
やってきたという印象を与えてしまう原因は見えないことだ。
こちらからは見えている。もちろん、ぜんぜん見えている。
見えたところでなんということはない。はっきり言えば、人間が想像する透明人間のような存在にはなりえない。あれは人間が想像するから楽しそうなのであって、実際、最初から見えないでいるものはたくさんあるが、その誰一人として楽しいということはない。あくまでも想像上の産物であるから楽しそうな気がするだけである。
彼のことから話そう。
彼の名前は知らない。語り手として都合上、三毛と名づける。が、猫とは全く関係がない。ただ三毛猫が通り過ぎたので、そう名づけただけである。
名前を与えたほうが、物語が具体的になって親しみやすくなるはずだ。
そうでもないかなら、適当に好きな呼び方に変えればいい。どちらにせよ、三毛はもう少しで大人になるころ、思春期を向かえて、異性に興味を持ち始める時期にいた。
三毛は孤独であった。
人のぬくもりなど要らぬ、と突っ張っていた。それが自分を築き上げる要素であると信じていた。そうして三毛は寄ってくる三毛猫の首を折っては日々を暮らした。
三毛猫と表現したが、実際に寄ってきたのは、猫ではなく、若い女であったが、やはり名前も知らないし、都合上若く魅力的な女はここでは三毛猫と表現させてもらう。
三毛猫はどこまでも三毛猫であった。
何度首を折られようが関係ないとばかり三毛の気を引こうとした。
三毛は異性にもてた。それはそれはもてた。間違いなく東洋一の美男子で、いや、東洋と西洋を合わせても一をもぎ取る荒々しさをかねていた。
だから三毛猫は絶えず彼のもとを訪れては首を折られ、よだれをたらして、燃えた。
首を折ると音が鳴った。音は響いて、空の向こうまで届いた。向こうにあるものはなんだったろうか。と三毛はその音を聞きながら思った。
答えはない。何もでない。しかし探し続けた三毛はやがて、自分も音を出すことができると気づいた。が、それはつまり首を折るということで、折ってしまった三毛猫を見ても、あまり格好の良いものでないし、たとえいい音が鳴ってもその時には既に自分、よだれたらたらなのだから、意味もない、と気づいてやめた。
止めてしまうと、意味は消えた。すべての意味が消えた見事に。三毛は自分がなんのためにいるのか、思い出せなくなった。だんだんと迫り来る三毛猫の数が減ってきた。確実に減っていた。それを三毛は見ようとしなかった。見てしまえば立ち直れそうにない。だからあえて見なかった。それでも、確実に見えていたちらちらと目の端のほうに写った。
三毛はああ、とひとつ鳴いて、ぶらぶらと歩き出した。
そろそろいらいらしてくるのではないだろうか。一体なにを言いたいのか分からないままだらだらと文章を続け、どういうつもりかね、と声を荒げる方もでてくるのではないか。そう思うがしかし、もう少しお付き合い願いたい。さすれば、道は開けてくるであろう。確実に。
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