FC2ブログ

Entries

私という政治家がいなければ…

あのような悪魔が生まれることはなかった。私は自らの欲望に対して理性が働かなかった。私は当選したかった。とにかく当選さえすれば他はどうなろうと関係ない。当選がすべての人間だと言われようが結構、当選することは私の人生そのものだった。当選することは難しい。選挙には魔物が棲んでいると言う。たしかにそうだった。魔物は棲んでいて、私に対してちょっかいをだしてきた。脇腹をつついたり、足かっくんをしてきたり、振り向いて声を荒げると、教頭先生が駆けつけてきて殴られる。殴られたくないからと、魔物を無視しているとエスカレートしてくる。教頭先生からは私がかげになって魔物はよく見えない、だから私がただうるさいだけだと思っている。魔物はやがて私の背の肉を握りそれを貪り食いはじめた。くちゃくちゃと咀嚼する魔物は低く笑い、私を馬鹿にした。それで私はキレたのだ。てめえ、なめてたらぶっ殺すぜ、と魔物の首をつかみ顔を近づけた。すると魔物の口からこの世のものとは思えぬ程の強い臭気が漂ってくるではないか、私は思わず顔を背ける。魔物はそれひるんだ今がチャンスだいとばかり私の鳩尾に膝蹴りをいれ、戦闘不能になった私にさらに臭気を吹きかけてくる。限界であった。魔物、いいかげんにせな、終わりの会でちくるで、と思った。ふいに身体が軽くなったので、魔物のうでを掴み、そのまま魔物を放り投げた。この時点で私の意識はない。何も覚えていない。後から聞いた話によると魔物はびりびりに引き裂かれて、息絶えてしまった。それはそれは恐ろしい現場だったという。私の中のまだ柔らかい部分に悪魔は生まれたのだ。
スポンサーサイト



この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://nayura06.blog27.fc2.com/tb.php/1827-e2642844

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

なゆら06

Author:なゆら06
FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR