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図書館で僕が止めた時間について考える

本をめくる音がいくつも重なって僕は目覚める。その間、僕が読む物語は進まず、つまりその中の時間は止まっている。世界は相変わらず、つまらなそうに進んでいるのに、僕は進めるべき時間を止めてしまった。慌てて目で文字に追い時間を進める。僕が眠っている間、例えば木から落ちようとする林檎は空で停止しているし、例えば女の子が温めるミルクの湯気も立ち昇ることはない。そんな星の数でも追いつかないぐらいいくつもの時間をひとつづつ丁寧に進める。林檎は地面に落ちて割れる、ほっとしたように女の子は温めたミルクをカップに注ぐ。昇ってきた太陽が冷えたみずうみを温めるように、てきぱきと動き出す時間を想像して僕はほんの少し可笑しくなる。
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