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森の薫りのする女とホテルで

息が荒い。頬はほんのりと赤い。目を閉じている。シャツのボタンをひとつずつゆっくりと、じれったいぐらいゆっくりと外す。やがてボタンはすべて外れて肌があらわになる。そこにある下着は森であった。青々とした草、苔、そして木が生えていた。小動物が生息していた。木の上で、土の中でそれぞれがそれぞれの領域を静かに守りながら生息していた。鳥が飛んできて羽を休めた。猟師がそれを狙っている。銃声が響いて森が静かになる。鳥は羽ばたく。猟師はまだ見習いなのだ。彼は顔をしかめる。そうやって少しずつ経験を積んでいくしかないと教えられている。次の獲物を探す。森はひろく、いつまでたっても全容がつかめない。やみくもに歩き回るだけでは行けない。夜は近い。森には獣もたくさんいる。経験の乏しい彼が無事に夜をこすことなどまずできないだろう。それでも彼は獲物を求めて森を彷徨う。道筋などわからない。彼は若く、園ときになればなんとか戻ることができるだろうと高をくくっている。森の恐ろしさを知らないのだ。兎が飛び跳ねる。彼を森の奥へと誘う。森の静寂を破った彼に対する報復だ。彼は罠だとも知らず兎を追って奥へ進む。太陽の光りも届かない深い森の奥では、獣達が彼を憧料理してやろうかと相談している。わたしは若い猟師が不憫で、これ以上見ていられなく、シャツのボタンを再び止めてホテルをあとにした。
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