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あれは相撲の「美」を守るためではなかったのか?

相撲は日本の国技として、長い歴史を持っている。当然そこには美しさがある。様式を全うする美しさ、肉体と肉体がぶつかりあう一瞬の破裂音、力士の名を呼ぶ声、放物線を描いて舞い散る座布団。相撲は美しさであふれている。いや、正確にはあふれていた。現在、相撲からその美しさが失われつつある。原因は様々あるが、今はそのことには触れない。ただ、相撲の美しさは失われつつあると理解していただきたい。失われつつある美しさをどうにかして守らなければならない、と考える人間は多い。力士はもちろん、行司、親方、観客など、相撲を愛するものほとんどすべてがそう感じている。力士はただ、相撲を取っていればいいわけではない。あくまでも、儀式としての美しさを大切にした取り組みを心がけなければならない。ある力士が、礼をせずに土俵に上がった。ふてくされたような表情で土俵に上がった。それを指摘した親方を、力士は足蹴にした。もともとうまが合わなかったのかもしれない。ふたりが衝突する場面を、関係者はよく目にしていた。足蹴にされた親方は力士に、落ちていたごぼうで殴り掛かった。頭を思い切り殴った。ごぼうを頭にうけてふらふらした力士は、すぐにやはり落ちていたごぼうで親方に殴り掛かった。関係者はそれをとめようと二人の間に入ったが、闘いを生業にする猛者二人を止めるすべはない。ごぼうが振り下ろされ、身体を打つ音が国技館に響いた。もう誰も止められない、ただふたりが土俵の上でごぼうをしならせて打つ。順々に、規則的に、同じ場所を、いつしかリズムが生じた。行司は踊りだす。それをきっかけにして、国技館はダンスホールと化す。相撲の未来がそのときたしかにそこにあった。
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