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鋼の錬金術師、完結!

錬金術師は、それでも金を作ろうとしている。すでに意識はなく、眠っている状態なのにも関わらず、彼の手は動いている。何かを混ぜているように動いている。おそらく金を作るために熱した処女の生き血かなんかを混ぜているのだろう。そこに何かを投げ入れた。おそらく、火鼠の毛皮を投げ入れたのだろう。さらに混ぜること、2日間。鍋の中はぐつぐつとなり、何もかもがペースト状になっている。それでも錬金術師は手を止めない。急に金が現れるのだ、ここから急に金が、すべてが報われる瞬間がもうすぐやってくるにちがいない、とつぶやいている。もう、金など作れませんよ、と呼びかける。どうしてそういえる、いつ発生してもおかしくない。俺はその瞬間のために今まで努力や金銭を注いできたのだ。危険を顧みずにいろんなものを手に入れたのだ。必ず金は発生し、俺に巨万の富をもたらしてくれるのだ。繰り返すが彼の意識はない。声が聞こえているかどうかもわからない。ただ、彼は混ぜる動きを止めない。生命維持装置をとめてください、と家族は医師に告げる。いいのですか、まだあんなに金を作りたがっているのに。いいんです、もうかわいそうで見てられない。わかりました、医師は装置を止める。錬金術師はなおも混ぜる動きを止めない。脈拍や、呼吸は止った、ゆっくりと動きが止まる。彼の目から一筋のナミダが流れて、完全に動きを止めたとき、金が、彼の頭上から、降り注いで、さらさらさらさら、彼は徐々に、黄金に染まって。
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