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なぜか羽根が生えている

羽が生えていると気づいたのは、トイレの個室から出た時だ。大きな鏡に映ったわたしから羽が左右についている。目の錯覚かとも思ったけれどそうではないらしい。羽はわたしについてくる。背中を鏡に映してみたが、そのとき着ていたTシャツが破れているわけでもない。Tシャツと一体になった羽がグンと伸びている。羽はわたしの身体ぐらいの大きさで、羽ばたけばたしかに飛べそうなたくましさをもっていた。トイレから出ると、じろじろと見られているような気がした。こんなにも立派な羽を持っているのだから仕方ない。ちょうどそのとき、デパートのトイレに入っていたものだから人がたくさんいる。一刻もはやくこの場から消えてしまいたいと思った。早く家に帰ろう。ゆっくりと休めば羽もなくなるかもしれない。疲れているのだ。疲れているから、羽が突然生えてきたんだ。家に向って走った。全速力で走っていると、なんだか身体が軽くなってきた。すごい速度で走っている。わたしはこれまでに経験したことがないほどの爽快感を感じていた。羽が動いている。どうやって動かせるのかよくわからない。ただはやく走ろうと思っただけだ。羽を羽ばたかせるような感覚もない。少し周りの景色が低くなった。わたしは飛んでいたのだ。一瞬で、町が小さくなった。空高く舞い上がった。わたしは上空で自由自在に飛び回った。家に帰ることなど忘れてしまった。この爽快感をいつまでも感じていたかった。とりはこんなにも爽快に飛び回っているのだろうか。と思っていると、羽が動かなくなった。今までどうやって動かしていたのだろう、と思うほど、羽は堅く全く動かない。ふらふらと回転しながら一気に落下した。羽はただの重い飾りでしかなかった。地面がみるみるうちに近づいてきて、激突した。薄れいく意識の中で大きな鳥がわたしに語りかけてきた。あんまり調子に乗っちゃいけないよ、ちゃんと充電しなくちゃいけないよ。充電してない羽はただのおもりだよ。わたしはとぎきりの笑顔で
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