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私が半分人間の女性、半分機械というイメージで表現していて

あなたは私の半分を愛したのよ。あくまでも半分。私の女性の部分を愛したにすぎない。私の機械の部分をあなたは知らない。というか誰も知らない。私は機械の部分を誰にも見せたことがないの。両親にだって見せたことがない。私の半分が機械になったのは、ちょうど5年前の夏のことです。

私は工場で働いていた。缶詰を造る工場よ。なんの缶詰なのか、私は知らない。なんかの缶詰の或る部分を組み立てる作業をしてただけ。匂いも形もよくわからない。自分が作った缶詰を食べたいなどとは思わない。というかどんな缶詰でもここと同じような行程で作られているとしたら、食べたいなんて思わない。きっと誰だってそうよ。缶詰工場にはいろんな機械がある。便利な世の中になったものだと、30年もこの工場で働いている先輩が言う。私はその便利さに気づかない。私が働きはじめた頃には全て整っていて、それを覚えるだけだったから。機械が取り入れられてずいぶんたくさんの人員が削減されたのだというが、私には関係ない。

私は缶詰の中を消毒する作業をしていた。ほとんど機械がするから、それを眺めている。たまに機械は間違うからそれを正してやる。極力、機械を止めないようにして、能率を上げていく。私の仕事がどれぐらい世の中に役立っているのかわからない。あまり役に立っていないと思う。私はいてもいなくてもどちらでもいいのではないかと思う。実際いなくてもまったく困らないでしょう誰も。だから私なんていらないんだ、とふと思ったわけ。

工場で油断したら、それは死を意味する。これは工場に勤める際に重要だから覚えておいた方がいいわ。私は油断した。そしたら機械がするどい牙を剥いてきた。私の右半分に噛み付いた。痛みもなく、意識を失った。次の記憶はベッドの上、ではなく、なにか液体の中に私は、いた。ぼんやりとその部屋の中を眺めていた。部屋にはわけのわからない機械やら色とりどりの液体の入った瓶がおいてあった。奥で作業している人がいた。木下博士だ。

木下博士は私を助けてくれた恩人だ。工場の機械に噛み付かれて、瀕死になった私を日本の医学は見捨てた。これは手に負えませんと次に回され次に回され、ますます瀕死になった。たまたま通りかかったのが木下博士だ。わしがなんとかしてやろう、と彼は言ったらしい。とんとん拍子に進んで私は木下博士の研究所で、機能が停止した部分を機械に換えて蘇生した。

だから今は木下博士には感謝している。
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