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秘密

帰り道、振り出した雨がかなり激しくなったので、ちょうどそこにあった民家の軒下に雨宿りをしもう動けん、と言い出す彼女に対して、それでも、結局濡れても帰らないといけないのだからと、説得しようやく歩き出した時、前から見慣れた車が近づいてきて、僕たちの隣で停まって窓が開き、濡れるでしょう乗りなさい、と義母が声をかけてきた。彼女はここぞとばかり「ほら、わたしが言うとおりあそこにいたら、濡れずに住んだのに」と鼻を広げた。
「どうせだから、一本杉のところいってあげようか?」
という義母の提案に彼女が「行きたい」と即答したので、そこに向かう。「いってもなにもないけどね」すぐそこにあるほんとにすぐ到着する。そこは、古く大きな杉の木があり、その周りは浅い池になっている。池にはめだかなど生き物が住んでいる。水場に近づくと蛙の声が大きくなる。
「晴れてたら、池で遊べるのにね」
それほど残念そうでなく、彼女がつぶやく。僕たちは車から降りずに一本杉を眺め、その下にある池を眺め、そうしてものの5分もしないうちにその場を後にした。どこまで行っても高い杉のてっぺんが見てる気がして、どうしてか少し怖くなった。見下ろされるってのは、たとえ木であろうと嫌な気分になるんだ。だけど、あとから考えてみるとなんとなく、見守られてるようで安心できる。なにか不思議な安心感が残っていた。
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