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なぞれば西日が落ちてくる

冬の昼の誰もいない居間は、冷たいフローリングの光沢にある音が静かに木霊している。子は、外で、凧揚げなんかを飽きもせず続け続けていやがる。声変わりの遠い甲高い声がかすかに聞こえてきて、冷たいフローリングの光沢にある音が聞こえなくなる。その音はもしかしたら俺の耳鳴りかもしれない。君が、子とともに外にでていた君がこの居間に戻り、湯を沸かし始める。マグカップを棚から取り出す。どうやら君は珈琲でも飲むつもりらしい。ハミングが聞こえる。君は、君を見ている俺に気づいて笑いかける。その笑顔は丸めた一昨日の新聞紙のように歪んで古く見える。其れを幸福といわず一体何を幸福というのだろう。俺は近づく。そして、そのふくよかなる君の尻を、なぞれば西日が落ちてくる。
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