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老夫婦/SAKEROCK

老夫婦は待っていた。自分たちがいなくなるのを。つまり死んでしまうのを。死を待つなんて、かなしいじゃないか、とあなたは思うかもしれない。老夫婦は別にかなしくなかった。むしろ早く来い早く来いと幸せな気持ちで待っていた。どうしてそんなに死に急ぐの?聞いてみたい気はする。しかし、今となっては聞くことができない。なぜなら老夫婦は先ほど死んでしまったから。安らかな死だった。痛みも苦しみもない。ただ、未来に対する希望と幸福感に包まれていた。死ぬ人間がどうやって未来に対して希望を持てるのだろうか、当然の疑問。想像だけれど答えてみよう。老夫婦は自分たちの望んだことがすべてかなった。幸せな人生だった。もう望むものは何もなかった。次々に願ってはそれがいとも簡単に叶っていくのだから、だんだん望むものがなくなっていく。何も望まず、慎ましく生きていけばいいじゃないか。老夫婦はかつて強欲だった。他人を押しのけても自らの望むように進んだ。いつからか望みは簡単に叶うようになった。望みが叶うたびに人が変わったように穏やかになっていく。老夫婦の望みは、それがどんな望みであろうと叶うように人々は努力した。大規模な実験だった。老夫婦には何も説明していない。秘密裏にことは進められた。急激な速度で望みが叶っていく老夫婦の反応が見所ではあった。あるとき老夫婦が国をひとつつぶしたいと望んだ。単なる思いつきだった。次の日には国がひとつつぶれた。老夫婦は喜びもかなしみもしなかった。ただ、またひとつ望みが叶ったな、と感じるだけだ。なにか麻痺していた。もう望むものは何もなくなった。望んではいけないのではないかと考えるようになった。老夫婦が次に望んだのは自らの死だった。
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