Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://nayura06.blog27.fc2.com/tb.php/3277-3ee3be70

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

虎/ハンバートハンバート

なんとしても届けなければならない手紙があって、山の中を急いでいた。
途中で、この山は虎が出るから危ないよ、と言われたがかまっていられない。虎に出会う確率と、届けなければならない手紙の価値と比較して急ぐことにした。従者は嫌な顔をした。そんな危険なことはする必要ないんだ。おいら、そんな金もらってないからね、手当をもらわなくっちゃやってられないね、という顔をした。あとで手当ははずむつもりだ、という旨を伝えておいた。従者も渋々納得してついてきている。すでにかなり暗くなってしまった。今晩中に個の山を越えられるだろうか、少し不安になってきた。
別に虎が出ないとしても、夜の山は恐ろしい。恐ろしいものがたくさんいる。獣はまったく容赦しない。油断していたら瞬殺されるだろう。
従者はわたしの前を歩きたがらない。金を払うと言っているのに、なんて臆病なやつだろう。

ちょうど山の中腹にさしかかった時だった。けたたましい咆哮がすぐ近くに聞こえたかと思うと、猛虎が現れた。それはそれは大きな虎で、従者など見てすぐに腰を抜かしてしまった。口から泡を吹いている。かくいうわたしも一貫の終わり、この手紙を届けることのできない悔しさ、過去の楽しかった思い出、好きだったあの娘の横顔、まだ経験していない性行為に対する憧れなどを瞬時のうちに感じ取り、ああ、これが走馬灯というやつなのかしら、と溜息を漏らしたのだった。
しかし虎は私のすがたを一目見ると大きな竹の陰に隠れてしまった。
どうしたことか、とわたしは不思議に思って虎に話しかけた。

やあ虎さんよ、おまえはどうして隠れるんだい?そんなに立派な身体をしていてどうして隠れてしまうんだい?はやく一思いにわたしと従者を喰いちぎり、咀嚼してくれまいか。このままじらされたらわたしは発狂してしまうだろうよ、さあ、わたしと従者はすでに覚悟ができているよ。虎さん、さあ遠慮なくどうぞ。

(つづく)
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://nayura06.blog27.fc2.com/tb.php/3277-3ee3be70

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

なゆら06

Author:なゆら06
FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。