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悪の化身/すぎやまこういち 2

有頂天になりかけたあたしは可愛かった。自分で言うのもなんだけれど、可愛い、とけっこう言われた。誰彼かまわずに可愛いと言いよられた。そんなこと、今までなかったから、あたしはますます有頂天になりかけた。

絶対に有頂天にならない、とあたしは自分に言い聞かせた。あたしなんかが有頂天になってはいけない。あたしが有頂天になったらろくなことがない。ろくなことがない。

あたしは小学4年のときに有頂天になった。
きっかけはなんだったのか、忘れたけれど、友達があたしにシールをくれた。内緒だよ、と言ってキラキラ光っているシールをくれた。あたしはびっくりした。まずキラキラしているシールを学校に持ってくる事自体、ルールの枠を飛び越えた憧れだった。先生に見つかったらいったいどんな言い訳をするつもりなんだろうか。あたしはなんにも言えない。なんにも言えずに下をむいている。先生は困り果てて、シールを没収してしまう。親に連絡が行くのだろうか。それはやめてほしい。親は怒るだろう。学校から連絡が来ること自体、親は怒る。世話をかけさせないで、お願いだから世話をかけさせないで、と母は思うだろう。その台詞が全身から聞こえる。たたずまいから見える。あたしはそんな冒険をしない。のに、もらった。友達はシールをあたしに押し付けてきた。内緒だから大丈夫、と念を押した。
びっくりしたあたしはシールをすぐにポッケに入れた。キラキラシールの存在感がすごかった。ポッケに入れているのに、キラキラ感がとまらない。ポッケに入れても隠しきれないきらめきがあたしが発している。あたしにはどうしようもない。いつ見つかるだろう、いつ見つかるだろう、とあたしは気が気でなかった。
結局、先生はあたしを叱りつける事もなかった。キラキラシールが見つかる事もなかった。シールは家に帰って、学習机の引き出しに入れておいた。
嬉しさなんてなにもなかった。キラキラシールはキラキラしすぎている。あたしはシールを持て余していた。
次の日、起きたあたしは引き出しをあけて、シールを取り出した。朝の陽を浴びてシールは輝いていた。
着替えたあたしはシールをポッケに入れた。学校に持っていくつもりはなかった。そんな怖い事をあたしはできない。したくない。だけど、あたしはポッケに入れた。どうして入れてしまったの、あたしは自問自答した。
答えはでそうになかった。わからない。あたしはどうしてシールをポッケに入れたんだろう。

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