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悪の化身/すぎやまこういち 3

学校で、あたしはシールをそっと取り出し、ちらっと見て、またポッケにしまった。
何度も何度もあたしはそれを繰り返した。うふふと笑った。
シールは取り出すたびにきらきらと輝いた。あたしは有頂天だった。
そうか有頂天というのはこう言う状態の事を示すのだな、とあたしは思った。
有頂天というのも別に悪くないなと思った。
有頂天という言葉にあたしは取り憑かれていたのだ。

4時間目、シールが先生に見つかった。先生は怒鳴り上げた。シールぐらいでそんなに怒鳴る事ないのに。あたしは泣いた。みんなあたしの事を見ていた。馬鹿なやつだという視線だった。シールをくれた友達も同じ視線だった。視線という視線があたしに集まった。その視線は痛かった。痛みを伴った。経験した事のない痛みだった。思わず悲鳴を上げた。

いやー!

いやー!という悲鳴をあげたのは、悲鳴のあげ方を知らなかったから。悲鳴なんてそれまであげた事がなかったし、だいたいどんな悲鳴をあげたらいいのか一瞬考えた上で、いやー!が最初に思い浮かんだからその初期衝動?を?大切に?する?あたし?

悲鳴はけっこう効果があったようで、先生は少し青ざめて、何も叫ぶ事ない、と宣うし、みんなも目をそらした。

あたしは思った、有頂天は損をする。有頂天に気をつけろ。有頂天をはき違えるな。有頂天に乗っ取られるぞ。油断したら有頂天に乗られている。操られている。危険よ危険。
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