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Hello, Goodbye/The Beatles

夜道を歩いている。市立病院の下。この街で最も大きな病院で、ヘリポートがある。ドクターヘリがたまに飛んでくる。病院の下を歩くときにはいつも思う。この今の瞬間に、どれぐらい多くの人が病と闘っているのか、無数に並んでいる窓のその向こう側にどれぐらい多くの人が悲壮な思いを持って過ごしているのか。なかには退院間近で暇を持て余している人が要るかもしれない。窓越しに町の風景を眺めているのかもしれない。突然、大きな音が聞こえてくる。耳をつんざく、上下に揺れ動かせる音が、わたしはふらふらとふらつく。音が大きすぎて、めまいが起こる。わたしがここで倒れてしまったなら、どうなるのだろう。きっと何も変わらないだろう。倒れる意味はない。ドクターヘリが屋上に降り立った。ヘリの音は、病院の向かいにある工場の壁にあたり、わたしに降り掛かる。どうしてこんな大きな音がわたしに降り掛かるのだろう。わたしはめまいが起こって、この場を切り抜けるためにすべきことを考える。楽しいことを考えた方がいい。とびきり楽しいこと。そこでわたしはあめ玉が無数に入っている風呂桶に飛び込むことを考える。あめ玉は様々な味のあめ玉であり、鮮やかな色をしている。そこに飛び込み、ちょうど口に入ってきた飴をなめている。あめ玉はけっこう大きいものだから、なかなか溶けてなくならない。そのうちにさむくなってくる。あめ玉が敷詰められた風呂桶に飛び込んだところで、潜れるわけではない。やけに寒い。コートのボタンをひとつとめる。風が隙間から入ってきている。風邪をひいてしまうではないか。わたしが風邪をひくといつも長引いてしまう。だからひいてはいけないんだ。はやく帰宅して、暖かい室内で、ゆっくりとちり鍋でもつつくに限る。わたしはドクターヘリの降り立つ音などにかまっている暇はない。ヘリは再び飛び上がる。病院に急患をおろし、たくし、役目を終えて、寝床に戻るのだろう。ありがとう。わたしは意味もなく飛び立つヘリに声をかける。いつか、わたしがお世話になることがあれば、そのときはよろしく、とつぶやく。夜道は誰もいない。
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