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ストロベリー/YUKI

変な住人にからまれた。変な住人と言えば、そう、斎藤くんだ。わたしは真下に住んでいる彼女のことをどうやって調べようかと考えながら歩いていた。斎藤くんが、うさぎしゃん、うさぎしゃんと叫んでいる。わたしの目を見て叫んでくるということは、どうやらわたしのことらしい。なにか必死にわけのわからないことを言っている。おそらく頭がおかしいのだろう。わたしはあまり強く拒否することを止めた。こういう若者は怒りだすとなにをするかわからない。正直怖かった。みわこちゃんがそう教えてくれた、とか言い出した。みわこちゃんというのが誰かしらないが、わたしのしったことではない。どうしてわたしにかまうのだろうか。悩みをはなしてください、とけっこうまともなことを言い出した。もしかしたらなにかこちらに不備があったということなのか、これは新手のクレームか。だとしたら適性に対処しなければならない。こういうときにいかに対処できるか、これがマンションの管理人としての資質。わたしは若者の言葉に耳を傾けた。耳掃除はしっかりしているから、よく聞こえる。世界のすべてを聞いてしまいそうな勢いで、わたしは耳を傾けたのだ。

「いや、別に悩んでねえよ、つうかどうしたの?なんか不具合がありましたか?」
「不具合があるとしたら、あなたの心の中にありますよ、管理人しゃん」
「どういうこと?」
「ぼくにはわかりますよ、管理人しゃんが悩んでいることが」
「悩んでいると言えば悩んでるけど」
「でしょう?だからぼくに話してください、思いのたけを話してみてください」
「なんの意味があって斎藤くんに悩みを話さないといけないの?」
「つまり自閉探索ですよ、それで楽になるかもしれませんよ」
「その気持ちは嬉しいけれど、別にいいよ、そんな深刻なもんじゃないし」
「深刻さの度合いはぼくが判断しますから、とりあえず話してみてください」
「いやそんな名前ぐらいしか知らない斎藤くんにわたしの個人的な悩みを話すことに抵抗があるなあ」
「その壁を越えたら気持ちよくなるはずです」
「気持ちよく?」
「そう、吐き出す快感をうさぎしゃんも味わってください」
「そのうさぎしゃんて何?」
「ほんのささいな比喩ですよ、管理人しゃんのことです」
「わたしがうさぎしゃん?」
「そういう一面もあるということです」
「はあ」
「さあ、能書きはもういいでしょう、悩みをカモン」
「能書きって」
「カモン」

なんだか腹が立ってきた。こいつはどうしてわたしの心にずかずかと靴のまま入ってくるのだろう。ここは和式の部屋だって言うことを教えてやらねばならない。しかしそうすると非常に長い時間を要する。わたしには仕事があった。真下の部屋の彼女のことを調べるという重要な仕事があった。斎藤くんにかまっている暇はない。こいつを黙らせるには、そうだ、ストロベリーだ。斎藤くんはストロベリーに目がない、という情報がわたしの頭の中にある。根拠はない。しかし、斎藤くんの出すゴミにストロベリーのパックがよく混ざっている。あのフォルムは間違いない。わたしもよく利用する近所のスーパーのストロベリー、398円パックだ。おそらく与えれば貪り食うだろう。ところかまわず食うはずだ。それが斎藤くんだ。逆に言えばストロベリー以外での解決方法は見つからない。ストロベリー解決法を思いついたわたしの手柄だ。ああ管理人として着実にレベルアップしてるなあ。
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