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コーヒーと恋愛/曽我部恵一

ぼくは必死に話した。うさぎしゃんは目を閉じて真剣に聞いてくれた。コーヒーと恋愛の話をした。君なりのやり方で間違っていないよ、とうさぎしゃんの顔は答えていた。ぼくはとたんに元気になった。やっぱりうさぎしゃんはすごい。ぼくが見込んだだけあるよ、と嬉しくなった。嬉しさのあまり、当初の目的など忘れてしまった。なんにせよ、ぼくはうさぎしゃんと話したかったのだ。それが目的だ、と言い切りたい。達成できたのだからいいじゃないか。悪魔とすれ違うが、それがどうした。この悪魔は無害だ。ぼくのうちわではびくともしなかったけれど、何も知らない。まだ何も知らない無垢な存在だ。うさぎしゃんがちゃんと手とり足とり教えてやるのだろう。だいたい、ぼくとうさぎしゃんが協力すれば何の問題もない。悪魔などサラダドレッシングに加えて味のアクセントとしよう。ぼくは町に飛び出した。実に1ヶ月ぶりの外の空気はうまくもなく、かといってまずくもなく、ぼくを包み込んだ。自転車があるはずだ。ぼくは自転車を持っていた。駐輪場に行くと、さすがぼくだ、ちゃんと自転車はあった。少々錆びているがかまうものか。ぼくは自転車にまたがった。ぎしっと音が鳴る。

自転車をこげるかどうか、がまず心配したけれど、さすがぼくだ、ちゃんとこげる。どんどん進む。これが自転車か、こんな感覚だった。ぼくは最強、こんなスピードで進んでいるし、誰に求められない。ぼくはこのまま永遠に彷徨わないといけないのではないかと一瞬、不安になったけれど、ブレーキをかければ止まる。問題ない。魔法にもかかっていない。確認するぼくは勇者さ。石橋も叩いて渡るぼくさ。

自転車に乗って数分が経過した。ぼくにはまだ目的地がない。目的地もなく町を自転車で彷徨っているのだ。これはあまりよくない。時間だけがどんどん過ぎていくのだから、いけない。ぼくは目的地を探すために彷徨うことにした。目的地を探すのだから彷徨うことにも意味が出てくる。我ながら名案だ。目的地、目的地、とつぶやきながら自転車をこいだ。そのうち目的地がムコウからやってくるだろう。もしくは降ってくるだろう。目的地とはそういうものだ。歌を歌った。かなりキーの高い歌で、ぼくののどは悲鳴を上げた。しかしぼくは決して歌うことを止めない。目的地を見つけるまで歌い続けるつもりだった。
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