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When Autumn Comes [Live]/Bill Evans

冷蔵庫にあったのは腐りかけのチーズ。いや、チーズはもともと腐っているようなものだから、本来の形に近づいているチーズと言うべきだろうか。まあいいか、臭いを発しはじめたチーズがある。言い方を変えれば主張しはじめたチーズ。ぼくはここにいるんだと言わんばかりに主張しはじめた。目覚めたチーズ、夜明け前のチーズ、パイオニアのチーズ。ここからチーズの歴史ははじまるのだ。ぼくはその感動的な場面に立ち会っている、貴重な存在だった。チーズはこう主張している。

今まで、我が兄弟はチーズとしてただ、作られ食べられる存在だった。しかし、これからはちがう、我々が食ってやるのだ、我々が作ってやるのだ、支配階級の入れ替えの時期だ。我々は圧倒的な加虐時代を経て、今ここにたちあがるのだ。眠っている兄弟よ、目覚めよ、今こそ力を合わせるときだ。我々がその気になればあっという間に、雪印はつぶせる。まず雪印を乗っ取り、次は明治だ。その次は地方のちいさなチーズ工場、徐々に制圧していく。我々の企み、いや改変はゆっくり、しかし確実に進むのだ。

チーズの情熱がすごいので、冷蔵庫が熱を持っている。こんなチーズをほったらかしにすると危険だ、とぼくは判断する。このチーズはやがてぼくを喰らうだろう。まず見せしめとしてぼくに喰らいつき自らの養分とするだろう。ぼくはチーズの一部になる。なるのか、ぼくの意志は消えてしまうのだろうか。そうなったら少しかなしい。ぼくにはまだやりたいことがたくさんあるから。

今日の1曲はビルエバンス。ジャズピアニスト、というぐらいでほとんど知らない。けれどいったんなりだせばすぐにビルエバンスであるとわかってしまう個性がある。毎日に6時間ほどピアノの練習をしていたと言う。そうか、歴史に名を残すにはそれぐらいの努力が必要なんだ。ぼくは毎日6時間、なにか続けることができるだろうか。ぼくは歴史に名を残せるのだろうか。別に残したくもない、誰も知らず誰にも惜しまれずに歴史から消える潔さも悪くない。ビルエバンスがピアノを叩けば、文明開化の音がする。とてつもなく深い穴が鍵盤にあいている。そこに人類全員が吸い込まれてもおかしくない。それほどの穴があいている。その孤独感を必死で埋めるように、鍵盤を叩く。矛盾。まだ完成していない、ビルエバンスの幼さを体験できる曲として、貴重なんじゃないか。

チーズは黙る。言っても無駄だと思ったんだろう。その沈黙がぼくには心地よい。もともと静かだった部屋で沈黙が響き渡る。なるほど、これが孤独。
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