Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://nayura06.blog27.fc2.com/tb.php/3441-59f81202

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

金曜日、修行僧を縛る1

忍び込んでみれば簡単なものだった。まったくこんな無防備じゃあ盗人も盗み放題じゃない、とあたしは思った。大きな寺が家の近くにあって、いつも通り過ぎていた。その頑丈な門はいつも閉ざされていて、あたしは中身が気になった。気になって気になって仕方ない。あたしは中身が知りたい。とにかく教えてほしかった。中身を何でも知りたがる子、としてあたしはけっこう有名だった。そこらへんじゃ有名だった。

木曜日、あたしは準備をした。寺に忍び込むための準備。そう簡単にはいかないだろうと思っていたから、けっこう出費がかさんだ。購入したものとしては、ロープとナイフ、そのふたつだけなんだけど、それがけっこういいものを買ったから、仕方ない。目的のためには出費は気にしない。すべてあたしの欲望を満たすため。趣味みたいなものだから気にならない。購入したことであたしはいったん満足し、温かいものを食べようと、なか卯に入った。半透明の袋の中にナイフとロープが入っている。じろじろと見ればそれがなんであるか一目瞭然だった。けれど女子が損なものを持っていたって誰も関心を持たない。だからあたしは普通にうどんと親子丼セットを注文でき、それを平らげた。

家に帰って眠ろうと思ったけれど、なかなか眠れなかった。明日寺に忍び込むことを考えると興奮してきた。ますます目がさえてきて、どうしようもなくなった。映画でも見よう、と思った。珈琲を飲みながら映画を見て、落ち着こうと思った。あたしは映画を見れば自然に落ち着くようにできている。映画はなんでもよかった。けれど、あまり人がばんばん死んでいくものは避けよう。できれば、落ち着いたフランス映画がいい。あたしは持っているものから古いフランス映画を選んだ。白黒で音楽もほとんどならない映画だった。内容は覚えていないが、年老いた恋人達の物語だった。静かに恋し、静かに別れ、最終的にはふたりとも静かに死んだ。誰も悲しまずに、誰も幸せでもなく、映画は進んでいった。いつからか、あたしは映画の中にいた。のめり込むということはこう言うことだ。不覚にもあたしはのめり込んでしまった。これだから映画は侮れん、と思った。
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://nayura06.blog27.fc2.com/tb.php/3441-59f81202

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

なゆら06

Author:なゆら06
FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。