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金曜日、修行僧を縛る2

映画が終わり、エンディングクレジットが流れていく頃、あたしはすっかり眠っていた。すやすやと寝息を立てながら眠っている。すでに金曜日は始まって、あたしは寺に忍び込まなければならなかった。焦った。あたしを見下ろしているあたしは焦った。なにをのんきに眠っているのだ、さあはやく起きて寺に忍び込もうではないか、と身体を揺すった。起きたのは昼過ぎで、寺に忍び込むには少々明るすぎた。忍び込んでもすぐにみつかってしまう。ナイフを使う機会が生じてしまう。できれば使いたくなかった。ナイフを使うと血が出る。あたしは血を見るのが嫌いだった。ただ寺の中身を見たいだけで、血を見たいわけではない。

あたしは外に出た。寺の門はやはり閉まっていた。開く気配さえない。あたしはさりげなく寺のまわりを歩いた。広い庭があるその一角に、あたしでも入れそうな垣根の隙間を見つけた。しめた、とあたしは内心ほくそ笑み、あたりを見回した、幸い誰もいない。迷わずにあたしはそこから寺に侵入した。まずはうまくいった。寺の敷地内に侵入できたことを褒めてやりたいと思った。しかしまだ寺の本体と言うべき、室内に入ったわけではない。あたしは目指すものの方へむかった。修行僧の姿は見えない。

第一修行僧と対面したのはそれからすぐ、あたしは身構えたが修行僧は女子に対してあまり慣れていなかったのか、どこかおどおどした様子で、なんのようですか?と聞いてきた。あたしは有無を言わせず、ロープと取り出し、修行僧を縛った。修行僧は何も抵抗せずに縛らしてくれた。あたしはロープを使って人を縛ったことがなかったが、自分の意外な才能にビビった。ロープ使い、として生計を立てようかしらと考え、いやいやそれはまたいろいろ誤解される可能性もあるし、なによりロープ使いでどうやって生計を立てるのか想像できないので打ち消した。

縛られた修行僧は何も言わずにその場でうずくまった。何も言わないでお願い、とあたしは彼に頼んでおいた。こうしておけば大丈夫だろう。縛られることが新たなる修行の一部と認識したらしい、なにか念仏のようなものを唱えながら彼は目を閉じた。念仏は次第に大きくなってきた。思わず耳を覆った。この念仏に引き寄せられて別の修行僧がやってくるのではないかと思われた。あたしは怖くなった。修行僧を縛ったのだからこれはすでに刑事事件だ。それを自覚して忍び込んでいる。あたしはまだ捕まりたくなかった。仕方なく修行僧の口をナイフで削ぎ落とした。こうすれば彼は念仏を唱えることができないだろうと高をくくった。

しかし念仏は彼から発しつづけている。どうして口を削ぎ落としたのに念仏が止まらないのだろうか。あたしは混乱した。このままじゃ念仏のつむじ風がおこり、あたしは吹き飛ばされてしまうだろう。この世の果という名のガストへ吹き飛ばされてしまうだろう。いかん、とナイフでのど仏を切りつけた。ここから念仏が発生しているに違いない。何度も何度も切りつけているうちに、念仏は止んだ。修行僧はたいへん穏やかな表情で横たわっている。

別の修行僧がやって来る前に逃げないと、とあたしは走った。自分が入ってきたところから外に出よう、と思った。とりあえず逃げるしかない。垣根をくぐり抜けるとそこは不思議の国でした。
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