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沈みゆく会社から なぜエンジニアは逃げ出さないのか?

沈んでいる。会社はずぶずぶと音を立てて地面に沈んでいく。あと数時間もすれば完全に沈んでしまうだろう。みんな逃げ出した。命が大切だから、仕事を投げ出した。当然だ。誰もとがめられないだろう。会社は沈んでしまう、共に沈むことはない。沈む意味はない。

けれどエンジニアは逃げ出さなかった。彼はいつまでもデスクに向かったままだった。誰もが声をかけた、さあはやく、ここから逃げ出しましょう。会社にいる必要はありません、また別の会社でやり直せばいいじゃありませんか。と説得したけれど彼は動かなかった。ひとり、またひとりと逃げ出していく。いつのまにか彼だけになった。会社は今にも崩れ落ちそうなほど傾いている。

いつも黙って静かに仕事をしていた。それが彼のスタイルだった。皆、彼だけは掛け値なしで尊敬していた。彼が会社を支えていると言っても過言でなかった。彼がいない会社は、会社の抜け殻みたいなものだった。彼がいないと会社は透明になって、匂いがなくなっていった。彼自身も、会社にいることで成り立っていたのかもしれない。会社外で会う彼はなんだかパッとしなかった。もともと目立つ顔立ちではない。けれども、印象は薄くなり、背景の一部になってしまった。彼と会社は互いに依存しあう関係だったのかもしれない。

会社はいよいよそのほとんどが沈んでしまった。エンジニアはまだ動かない。彼一人が机に向かって会社とともに沈みつづけている。いつからか彼は目を閉じていた。今までの会社の思い出を味わうように目を閉じて待っていた。彼は会社が彼に語りかけるのを待っていた。全てが沈んでしまう直前、ついにそのときがきた。会社はゆっくりとその口を開いた。
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