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堕天使ワルツ/サニーデイ・サービス

西田先生は無言でわたしが手に持っている蝶々をつかむと、元に戻した。指を立てたまま、自分の口元に手を当てた。黙っていろということか。たしかにわたしは西田先生が突然現れたことに驚いており、おもわず声を上げそうになっていた。ここは美術館なのだから、声は上げてはいけない。西田先生は正しかった。蝶々はおとなしくもとの位置につく、再び完璧な水着になる。蝶々なのに水着の一部に成り下がる。おまえは生物ではないのか、生物なのに無生物になる気か?それでいいのか?わたしは蝶々に問いただしたい気分だった。西田先生は察してくれたのか、わたしの手を引いて歩き出した。どこに行くのだろう、と思いながらも抵抗せずについて行った。関係者以外立ち入り禁止の看板のあるドアに手をかけ、開けた。殺風景な廊下だった。広がりの可能性をまるで感じない廊下だった。とことこと音を立てて先生は歩いて行く。わたしはただひたすらついていく。

部屋があった。24号室、と書いてあった。西田先生はポケットからカギを取り出してドアを開けた。中は真っ暗だった。少し不安げに西田先生は電気スイッチを探っている。すぐに電灯が灯る。どうぞ、と言われた。24号室には、なにもなかった。美術館の裏にある部屋としてはなにもなさすぎると感じた。会議をする目的だとしても、なにもできない。何を想定にこの部屋を作ったのか。まったく想像できなかった。机や椅子が併設してある倉庫的なところに収納してある、ってことでもないらしい。というか、入り口の他にドアや窓がない。長方形の部屋の中心に細長い電灯があるだけで、他に何もない。4方をクリーム色の影に囲まれている。

サニーデーサービスは曽我部恵一のエゴであると、聞いたことがある。バンドではなく、曽我部氏の遊び道具。それのみで成り立っているユニット。良くも悪くもだからこそ、一定の支持を集め、長く活動できた。けれども、曽我部氏がへそを曲げてしまえばそれで終わり。もしくは残りの二人がだだをこねはじめればそれで終わり。あっけない最後だった。それでも長く続いた方だ。もちろん最初はそうではなかったはずだ。友人同士、知り合い同士が大好きな音楽を創り出すためにはじまったバンドだった。やがて、その情熱に大きな差が生まれ、同時に技術力や音楽的センスなど、いかに曽我部氏の技能、才能に頼っていたか、がわかるようになる。バンドとして死ぬことは必至だった。近年、気まぐれに復活し、活動するものの大きな話題になったのは最初だけ。利用できるものは全て利用するという姿勢、アーチストとして大成するためには、それぐらいの図々しさが必要なのである。それにしても堕天使ワルツとは、それだけ聞けば正気か、と疑いたくなるが、歌を聞いていれば何となく納得してしまう、ほろ苦さがある。

西田先生は言う、はじめよう。え、なにを?
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