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変貌するユーベ

最初に、ユーベの様子がおかしいと感じたのは妻のあやだった。あやはユーベを起こそうと2階に向かっている途中に次のような会話を聞いた。2階にいるのはユーベだけであるため、おかしいとは感じたが、ラジオや携帯電話の類かまたは空耳だろうとかまわずにドアを開けた。ユーベは眠っている。別段変わった様子はなかった。けれども先ほど聞いた会話はあきらかにユーベの声だったので、おそらくユーベが寝たふりをしているのだろうと考えた。彼女にいたずら心が生じた。今年で結婚して3年目になるが、時々こうして戯れあい、愛を確かめているのだ、という自負もあった。あやはユーベの枕元にやってきて、ユーベの耳をつまんだ。瞬間、あやは声を上げた。耳が濡れている。それもぬるっとした粘性のある液体にまみれていた。いや、ととっさに彼女は耳を離し、おそるおそるユーベの顔を見た。耳の付近を見た。頭を見た。ユーベの全身を見た。薄く、膜のようにユーベは全身が濡れていた。とたんにあやは恐ろしくなった。なんなの、この液体はなんなの、とあやは混乱した。はたしてユーベは無事なのか、それもよくわからない。どうやら息はしている。胸がゆっくりと浮き沈みしているし、鼻の穴からかすかに液体が膨らんではとじるのがわかる。その膨らみが割れないことには呼吸はできないのではないか、とも感じたが、だったらもっと焦って、息苦しそうにするに違いない。ユーベはあくまでも穏やかに目を閉じていた。胸が動く他は微動だにせずに、ユーベは横たわっていた。あやは彼に触りたくなかった。彼女は粘性を持った液体が苦手だったのだ。なにかそのぬるぬるがどんなに洗っても取れないような気がするのだ。いや、触りたくない。とつぶやいてみた。こんなに穏やかそうに眠っているのだから大丈夫、そうよ、今日はちょっと寝不足で完全に眠るために彼の本能がそうさせただけなんでしょう。と解釈した。解釈せざるを得なかった。あやは後ずさりして、部屋から出た。叫びながら階段を下りた。静けさが怖かった。ユーベはやがて降りてくるだろう。何事もなかったかのような顔をして降りてくるのだろう。それからいつものように、トーストを食べて、ミルクを飲んで、フルーツを食べて戦場に行くのだろう。だったら別に今、あたしが触る必要はないじゃない、という結論に至った。あやはとびきり豪勢な朝食を作ろうと考えている。とりあえず今はそっちに集中させてほしい。
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