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打ち上げ0.5秒前のコンピューター制御

カウントダウンが順調に進む。なにもかも思い通りだと思っていた。俺の未来は順風満帆、思うのが少し早すぎた。打ち上げの、ほんの少し前、コンピューター制御がかかった。なにか不具合があったのだ。人間には気付かないほどの小さな不具合、俺は打ちあがるものだと思っていたから笑顔になっていた。そうだ、うち上がり、視界から消えるまで、視界から消えてからも帰ってくるまで気は抜けないのだった。そう言われていたのだ。すっかり忘れていた。俺は浮かれていた。自分の持っている技術を全て出し切った。これ以上ないぐらいの仕事ができたと思う。制御がかかってまず動いたのは、部下の田辺だった。彼は冷静に原因を探ろうとした。そのために、現場に向かったのだ。俺は眼の前でおこっていることがなにかよくわかっていない。呆然と立ち尽くすことしかできない。田辺の適応力を見直した。彼ぐらいの冷静さがこう言う場面では必要なのだ。感謝感激。田辺とチームを組めてよかった。俺は現実から逃避するために、コンピューター制御がかかったと言う現実から逃げるために田辺との思い出に浸った。

田辺はいち早く現場にたどり着いたものの、一体何を調べていいのかわからなかった。自分の持ち味は冷静さであるとことあるごとに祖母から言われていた。だからこの場面でもいち早く冷静な行動をおこすことが大切だと考えた。それでまず現場に向かったのだ。けれども、自分ができることは限られていた。田辺は技術者ではなかった。彼の役割はムードメーカーだ。技術は持っていない、専門的な知識もない。ただ、彼がいるだけで現場が華やぐので、現場には欠かせない存在だった。その彼がひとりで現場にいた所で何の役にも立たない。それで彼は中央制御室に連絡した。なにやってるんすか、早く現場に来てください、こちらは大変なことになっていますよ。田辺は叫んだが、中央は動かなかった。というよりも動けなかった。責任を問われることを嫌がった。偉い人にすごく怒られてしまう。何となくおっくうだった。ボス的な存在の猿が田辺の次に動いた。でも処理せなあかんやん、とみなにつぶやいた。猿もどちらかといえば技術者というよりはムードメーカーだ。

それでも中央は動かない。業を煮やした田辺が再び連絡をしてくる。彼の声が中央制御室に響き渡った。アヒルの行列です、通りかかっています。間もなく通り過ぎるでしょう。制御室の空気が柔らかくなる、アヒルって不思議。というか田辺って貴重。

ね、一見無駄だと思うような予算配分も、時として効果的なんですよ、市長さん。
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