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ろうそくを灯した群れがいく

ベッドは安っぽくぎしぎしときしむ。あたしは彼と抱き合っている。彼の名前は知らない。けれど名前以外ならけっこう知っている。だからあたしは抱かれる。いいや抱く。あたしが望んで抱いている。彼はあたしに抱かれている。名前を知らないだけで、例えば働いている場所は知っている。彼は病院で働いている。名札をつけているから、それを読めば名前なんて簡単にわかってしまうけれど、あたしはあえて読まなかった。なんとなくその方が面白いじゃない。彼は白衣を着て、先生と呼ばれていた。だから医師なのだろう。違うかもしれない。あたしはあまり病院の事情に詳しくないから、医師以外も先生と呼ばれているのかもしれない。だったらあたしになにもわからない。とにかく彼は病院で働いているってこと。彼はベッドの上では弱々しい。何もできない。あたしがリードしてあげないとまるでなにもしない。そういう性癖かしら、そうだとしたら悲しいものだ。彼に同情する。もっと積極的に性欲のままに動くべきだ。彼はため息をつく。あたしでは満足させられないのだろうか。自信がなくなる。もともとあったわけではないし、自信などすぐに揺らいでしまう。すぐに消えうせてしまう。このベッドが安すぎるからだろうか。彼にはこの安っぽさがたまらなく嫌なのだろうか。そうだ、そうにちがいない。だったらあたしの力ではどうにもならない。だってあたしはお金をもっていない。鳴るようになるだろう。ぼうっと灯が灯って、それが窓の外でふらふら動いている。横切っていく。何個も、群れだ。灯の群れが右から左へ動いている。何かを求めて、何かを目指して、灯はふらふらと横切る。彼はたちあがる。何も身に付けずに立ち上がって、つぶやく。なんだろう。ろうそくでしょうね、とあたしは応える。知っているわけではない。幼い頃に母親に教えてもらった、記憶。それをそのまま口走っているのだ。ろうそくの群れ、それが揺れ動く。夜のこと。年に何度かそういうことがある、と母親は言った。嘘だろうと思った。だったらこの灯はなんだろう。
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